神戸ポートライナーの「混雑問題」 難しい抜本的改善 策はあるのか?

ポートライナーの混雑、理由は「坂の街・神戸」に

 ポートライナーの理論上の輸送能力は、1時間で最高1万2500人ほど。この10年で1.6倍の乗客増を記録しています。神戸エリアの他の鉄道路線が乗客減少に転じる反面、乗客増加が見込まれているのです。

 ここまで乗客が増加した原因は「ポートアイランドに企業や学校が集中した」ことにありますが、もともと神戸市中心部に拠点があった企業までが移転するほどの集中は、なぜ起きたのでしょうか。

 ここで、ポートアイランドから北側に広がる街並みを見てみます。北側に迫る六甲山麓の南側に長く伸びた神戸の街は、その坂道と段差の多さから「日本三大夜景」の街としても広く知られています。東西に約20kmにわたって伸びる街には、大きな土地は残されていません。そのため、物流や製造などの企業が人工島に集まるのです。

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ポートアイランド方面に向かうポートライナー。背景に見える神戸の街は、すぐ北に山が迫っている(2019年7月、宮武和多哉撮影)。

 もともとあった産業用地が手狭になり、衰退の危機にあった神戸の街の打開策として造られたのが「ポートアイランド」をはじめとした人工島でした。埋立地の追加や神戸空港の開港、その後の規制緩和など、開業当時には具体化していなかった要素が積み重なった結果、2010(平成22)年ごろからポートライナーの混雑が目立つようになってきたのです。

 今でも大阪市や神戸市中心部より格段にコストが安く、さらに神戸の都心部がオフィス不足ということもあり、ポートライナーの通勤客は減少しそうにありません。

【写真】小さな車両、1両の定員は50人ほど

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コメント

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1件のコメント

  1. もう学校や企業に送迎バス運用してもらうしかない気がする(大学だとしてるところはしてるのかな)
    でもそれだと三ノ宮のバスターミナルが地獄になりそう

    関係ないけどポートライナーの新型車両、座席が小さくて固いねん('A`)
    配置も窮屈。せめて旧型のオールロングシートの配置に戻してほしい。