海自ひうち型多用途支援艦 どう「多用途」なのか? 護衛艦や潜水艦の活動支える名脇役

海上自衛隊には全国5か所の主要基地に必ず配備している「多用途支援艦」という小型艦があります。この艦は、戦闘用ではありませんが、ほかの艦にはない能力を生かして、縁の下の力持ち的な存在で活動しています。

メイン装備は艦体中央の大型クレーン

 そのひとつは、おもに射撃を中心とした訓練の支援です。海上自衛隊には無人標的機(ドローン)を操って、艦対空ミサイルなどの実射訓練を支援する「訓練支援艦」があり、こちらがおもに対空射撃の訓練支援用なのに対して、ひうち型は水上における射撃の訓練支援を行います。

 遠隔操縦で動く標的用の無人高速ボートを目標に、護衛艦が艦砲や機関砲を射撃します。水上標的を用いた訓練は、不審船対応訓練などで重要視されており、あえて当てない撃ち方、いわゆる威嚇射撃などをこれでマスターするそうです。

 また、ひうち型の後期建造型である「げんかい」と「えんしゅう」の2隻は、それぞれ潜水艦基地がある呉と横須賀に配備されていますが、潜水艦の訓練支援を行うために水中通話装置も装備しています。

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呉基地に配備された「げんかい」。一段低い後部甲板に並べて載っているのが、遠隔操縦式の水上標的用高速ボート(画像:海上自衛隊)。

 ひうち型はさらに、人員および物資の輸送にも用いられます。後部デッキはフラットな形状で、ここに各種コンテナやトラックを載せることができます。そのため、この部分は一段低く、人の乗り降りや物資の揚げ降ろしがしやすくなっています。

 この物資やトラックの積み下ろし、そして前述した水上標的用の無人ボートの揚降用に、大型クレーンを艦体中央に装備しています。これが、ひうち型多用途支援艦の最大の「武器」ともいえるでしょう。このクレーンを使えば、港に接岸する際に、艦体と岸壁の間のクッションとして用いる防舷物や、人が乗り降りするためのタラップ(梯子)も自力で設置できます。

 さらに前述した、後期建造型である「げんかい」と「えんしゅう」の2隻は、波の荒い外洋航行に対応できるよう、横揺れを抑えるための減揺タンクを備えています。

【写真】福島第一原発事故、冷却用の真水を運ぶひうち型多用途支援艦

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