海自ひうち型多用途支援艦 どう「多用途」なのか? 護衛艦や潜水艦の活動支える名脇役
海上自衛隊艦船のバイプレーヤー
ひうち型多用途支援艦は、このような大型艦よりも小回りが利いて、さまざまなことを単独で行える能力を生かして、離島への物資輸送や防災訓練などに、ほかの艦よりも参加することが多いです。
2011(平成23)年3月の東日本大震災における福島第一原発事故では、原子炉冷却用の真水が満載された艀(はしけ)を現地まで運びました。当時の報道によれば、積まれていた水は1100tだそうです。これは、大型艦もえい(曳)航可能で、さらに自力で離岸と接岸ができる能力をあわせ持っていたからこそ、こなせた任務です。
ひうち型多用途支援艦は、タグボートと訓練支援艦、輸送艦の機能を1隻に集約したようなものです。後方支援がおもな任務であることから、普段あまり注目を浴びることのない艦艇ですが、海上自衛隊の活動をさまざまな場面で支える、縁の下の力持ち的存在といえるでしょう。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
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