欧州の国際夜行列車「ナイトジェット」に乗ろうとしたら…行先違う?車両も違う?の謎
イタリアの高速列車「フレッチャロッサ」が寝台列車に?
現れたのは、寝台車がないイタリアの高速列車「フレッチャロッサ」のETR1000電車で、車両に掲示された行先は「Bologna Centrale」。フィレンツェから直線距離で100kmもないイタリアの都市ボローニャです。列車番号は夜行列車のものである「EuroNight(EN)35900」なのですが……。
「ミュンヘン? Munich!?」とあわてふためいていると、乗務員は「とりあえずこれに乗ってボローニャに行って」。
謎に包まれつつ、イタリアの闇夜を座席列車が走っていくなか、理由が分かりました。2019年8月10日から9月1日まで工事のため、ローマ~ウィーン・ミュンヘン間の「ナイトジェット」は、ローマ~ボローニャ間を運休。ボローニャ~ウィーン・ミュンヘン間の運転になり、ローマ~ボローニャ間は、同じダイヤ(一部別ルート)で代わりの列車(EN35900列車)が走る、ということになっていたのです。
異国の地で初めての駅に行き「列車がない!」「車両が違う!」。あせりましたが、列車が国境を越えて多数行き交い、高速列車の車両が在来線にも普通に直通するヨーロッパの旅行らしい経験になったと、いまとなってはいい思い出です。
フィレンツェから乗ったETR1000による代走列車「EN35900」は22時37分、40分弱でボローニャに到着。隣のホームに、寝台車を備えたミュンヘン行き「ナイトジェット」が待っていました。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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