「ミグ」の名を世に知らしめたMiG-15戦闘機の「衝撃」 朝鮮戦争でF-86と激突

朝鮮戦争では史上初のジェット戦闘機同士による戦闘が発生、そこで実戦投入されたMiG-15戦闘機の性能にアメリカはじめ西側諸国は恐怖します。「ミグ」の名を世に知らしめた同機とライバル機F-86の激突は数百回に及びました。

謎の新型戦闘機はソ連製 「ミグ」の名は世界へ

 2020年は、北朝鮮の韓国に対する奇襲的南進から始まった朝鮮戦争の勃発から70周年です。朝鮮戦争は一進一退の苛烈な激戦で、半島南端のプサンから北端の中国国境部に至るまでほぼ全土が戦場となり、太平洋戦争における日本人犠牲者数(約300万人)さえ遥かに上回る推定500万人もの韓国および北朝鮮の国民が犠牲となっています。

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ミグ MiG-15bis(北朝鮮空軍塗装、写真手前)とノースアメリカン F-86F「セイバー」。どちらも決定版と言える後期型であり、朝鮮戦争で戦った(関 賢太郎撮影)。

 朝鮮戦争は1945(昭和20)年の第2次世界大戦終結以降、ピストンエンジンとプロペラの組み合わせから、新しいジェットエンジンへと急速に変化しつつあった飛行機の歴史においても、大きな転換期となる戦いでした。

 韓国を支援する、アメリカやイギリスを中心とした国連軍は、早い段階で最新鋭ジェット戦闘機を多数、実戦投入しました。そして戦争勃発から半年が経過しようとしていた1950(昭和25)年秋頃、国連軍の前に突然、北朝鮮空軍所属ながら正体不明の高性能ジェット戦闘機が現れるようになります。北朝鮮空軍機はそれまでプロペラ機が主であったにも関わらず、謎のジェット戦闘機は米英機に比べ速度、上昇力、旋回性能、武装の火力、ことごとくこれらを凌駕していました。

 のちに判明したその謎の戦闘機の正体は、ソ連製ミグ設計局MiG-15。実はMiG-15は戦争前からその存在が知られていましたが、アメリカはソ連を航空技術に遅れた国と見なしていたことから、実戦投入可能なレベルにあると考える人はほとんどいませんでした。この「ミグショック」は太平洋戦争における「零戦ショック」に近いと言えるかもしれません。

【写真】「ミグ」といえばMiG-21戦闘機

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コメント

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1件のコメント

  1. 面白い。キルレシオが書いてあれば尚良かった。
    太平洋戦争に関する記事に関しては愛国奴の批判コメが多いけど朝鮮戦争は誰もいねえな