「迎撃機 垂直に打ち上げたらどうだろう」ドイツBa349の能力とは「有人対空砲」の評も

第2次世界大戦中、イギリス本土から飛来する連合軍の戦略爆撃機に手を焼いたドイツは、ロケット技術を用いて使い捨ての迎撃機を開発しました。わずか2分弱で高度1万2000mを目指す戦闘機とはどんなものでしょう。

わずか100秒で使い捨て

 実際の運用方法はかなり特殊でした。カタパルトは高さ約24.5mで、機体と左右の主翼の端の3か所をレールにセットします。射出のために胴体側面には左右2本ずつ計4本の補助ロケットが付けられ、パイロットは真上を正面に操縦席に着座します。

 射出時は、胴体内のメインエンジンは使わず、補助ロケットが約10秒間作動し、これで上空へと打ち出されます。補助ロケットが燃え尽きた後、胴体内のメインロケットに点火します。

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アメリカ軍に接収されたBa349。タイヤやソリなどの降着装置がないため、移動は運搬用トレーラーで行う。後部に補助ロケットが付いたまま(画像:アメリカ空軍)。

 機体は約60秒で高度1万2000mに到達し、残りの40秒弱で飛来する米英の爆撃機群を見つけ接近したのち、距離約550mで機首に装備した24発のロケット弾を一斉に発射します。そして戦果を見極める暇もなく、敵爆撃機の編隊から遠ざかり、胴体内のメインロケットが燃え尽きたらパイロットは機体から脱出し、パラシュートで地上に降りる一方、コントロールを失った機体は地面に墜落し、運用終了という流れでした。

 機体自体を飛ばすことはそれほど難しくありません。しかしパイロットが乗り込み、短時間で敵機に攻撃を仕掛け、そののち機体を捨てて生還するというのは、かなり難しいミッションでした。

 実際、1945(昭和20)年2月28日に初の有人飛行を実施した際、射出時の衝撃でパイロットが失神してしまい、墜落しています。

 その後、3度のテスト飛行に成功し、量産にゴーサインが出たものの、滞空時間の短さが指摘され、改良が続けられます。終戦までに36機が完成しましたが、実戦投入されることはありませんでした。

 前述したように、あまりに特殊な運用だったため、Me163「コメート」などに興味を示したアメリカやイギリス、ソ連などの連合国も、Ba349にはあまり興味を示さなかったようです。それでもアメリカでは2か所の博物館に機体が残されており、いまでもその異形を見ることは可能です。

【了】

【写真】垂直発射カタパルトにセットされる「ナッター」

Writer:

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

3件のコメント

  1. あれ?

    カテゴリーが・・・

  2. 一連の攻撃が首尾よくいっても、パラシュートで脱出するパイロットが「敵」に撃たれて蜂の巣なんかになったら日本のカミカゼとあまり差がなくなってしまうところだったのですかね?

    • 確かに難しい話。

      基本的に戦闘機乗りは脱出したパイロットは攻撃しないと言う不文律が存在するけど

      (もし自分が脱出した時に攻撃されると・・・ という考えから。)

      連合軍の戦闘機乗りはドイツのMe262のパイロットについては脱出しても

      容赦なく攻撃(銃撃)していたとの事。機体の性能差(への反発)が原因らしいけど

      もしかしたらBa349のパイロットも同様に撃たれていたかも?

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