路線バス「3扉車」なぜ消えた? 前扉に中扉に後扉 乗降スムーズなどメリットあるが…

路線バス車両で前扉、中扉、後扉の3つを備えた「3扉車」。特に都市部でかつては多く見られましたが、いまや激減しています。どのようなメリットがあり、なぜ消えていったのでしょうか。

3扉車のメリットとは? 台数の9割近くを占めた事業者も

 一般的な路線バスは、車体前方と中央にそれぞれ前扉と中扉がついていますが、かつては車体後方に後扉のついた「3扉車」も、特に都市部で多く見られました。

 東京のJR中央線沿線などで路線バスを営業する関東バスは、多いときで保有するバスの85%から90%未満程度が3扉車だったそうです。しかし2020年現在、同社では1995(平成7)年式の1台を残すのみとなっています。3扉車にはどのようなメリットがあり、そしてなぜ消えていったのか、同社に聞きました。

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関東バスが保有する3扉車(画像:関東バス)。

――3扉車の各扉は、それぞれどのように運用するのでしょうか?

 当社の場合は前扉が乗車口、中扉と後扉が降車口です。ただし中扉は終点バス停のみで開け、途中バス停での降車は後扉のみとしています。

――3扉車には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 終点バス停での乗降がスムーズになるだけでなく、乗車可能人数も多くなります。というのも、後扉から下車するため、お客様に車内後方まで詰めてお乗りいただけるからです。それには、乗車口にステップがあるものの、そこから車内の後端付近まで段差がないという構造も関係しています。最近のノンステップバス(乗降口に段差のないバス)では、中扉より後方が一段高くなっているため、なかなか詰めていただけません。

【写真】3扉車の内部

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コメント

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2件のコメント

  1. 20数年前、国産商用車メーカーが初めてノンステップバスを発表したときは、3扉でノンステップにできる構造で、実際に三菱ふそう、日野、日産ディーゼルの3社が製造販売しました。
    しかし、3扉でノンステップにするには駆動部に従来の大型トラックと共通ではなく専用の部品を使わなければならず価格が上昇すること
    国内最大のバス会社西鉄は当時、西日本車体工業という子会社が傘下にあって西鉄以外のバス会社にもバスを製造販売していたが
    専用部品を使うノンステップバスに対応できなくて、後ろ半分は昔のままの”前だけノンステップバス″を製造販売、価格が安くできたことでバス会社はみんな”前だけ”仕様を選ぶようになり
    商用車メーカーも”前だけノンステップバス”しか製造しなくなったので後ろがノンステップにできなくなり
    3扉バスは消えたのです。

  2. 都バスからフルフラットバスが出たのだから、3扉のバスを復活して欲しい。