「乗り心地の悪さ」魅力 日本唯一の乗りもの「カーレーター」とは …ベルトコンベア?

神戸市のレジャー施設に「カーレーター」なる乗りものがあります。山頂への急勾配を登るものですが、その特徴は乗り心地の「悪さ」といいます。どのようなものか、実際に乗ってきました。またその50年以上にわたる来歴を追います。

かつてはスキー場にもあったカーレーター

 須磨浦山上遊園は1959(昭和34)年、山陽電気鉄道によって開設されました。戦後しばらくは鉄道線の設備投資が負担となり、人員整理を強いられるほどの苦境が続いた同社ですが、この須磨浦山上遊園には開業当時、予想の倍以上の行楽客が詰めかけ、ロープウェイは乗客数日本一を記録するほどのにぎわいを見せたそうです。

 来園者数の増加とともに、園内には回転レストランや隣の旗振山に向かうリフトなどが矢継ぎ早に建設されていきましたが、ここで問題が発生します。ロープウェイの「山上駅」を降りてからリフト乗り場に向かうには、かなり急な坂道を100mほど登らなければたどり着けなかったのです。

 いまでこそ「短距離で勾配を登る」乗りものは、モノレールにゴンドラがぶら下がったような「スカイレール」や、エレベーターの一種で、モノレールのような形状の「スロープカー」などがありますが、当時これらはまだ開発されていませんでした。そこで1966(昭和41)年、この勾配に設置されたのが「カーレーター」だったのです。

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須磨浦山上遊園のカーレーターのコース外観(宮武和多哉撮影)。

 ベルトコンベア製造の大手メーカー「日本コンベヤ」が開発したカーレーターは、滋賀県のスキー場「サンケイバレイ」(現在の「びわ湖バレイ」)でしか導入例がないという、きわめて珍しい乗りものでした。

 須磨浦山上遊園は、コース全面が建屋で覆われているカーレーターのおかげで、急勾配はもちろん雨や風も気にせず鉢伏山上エリアへ向かうことができるようになります。そして設置から4年後の1970(昭和45)年には「大阪万博」が開催され、その来訪者の「第2の目的地」となるべく施設の充実を図った同園は、巨大噴水(現在は閉鎖)など当時としては大掛かりな設備を導入し、さらに多くの人々を集めることになるのです。

【写真】あのタモリさんも乗ったカーレーターの搬器

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