「超巨大飛行艇」3選 エンジン10発搭載 エアバスA380クラスの巨大機 二重反転プロペラ
エンジン6発に見える戦後生まれの10発飛行艇
第2位はイギリスのサンダース・ローが開発した「プリンセス」です。機内はオール2階建てで乗客105名を収容でき、全長42.1m、全幅66.9m、全高17m、最大離陸重量は156.5tありました。2020年現在で「プリンセス」に近いサイズの旅客機というと、ボーイング767-200でしょう。
「プリンセス」は、性能を高めるために、出力3200馬力の最新型エンジンを10基積み、左右に3つずつあるプロペラのうち、内側の合計4つはエンジン2基を組み合わせて、互いに反対方向に回転するふたつのプロペラからなる二重反転プロペラを回す構造です。
また、主翼の左右の端にある補助フロートは引き込み式にするなど新機軸が用いられており、最大速度は飛行艇としては高速の610km/hを誇りました。
「プリンセス」の開発は第2次世界大戦直後に始まり、遠隔地を結ぶ長距離便向けの大型旅客機として開発され、1952(昭和27)年8月22日に初飛行しています。洋上を長時間飛行するため、万一の際、不時着可能なよう安全性を考えて飛行艇にしたのですが、第2次世界大戦後は陸上機でも長時間にわたり洋上飛行できるようになっていました。
また空港も、設備が充実した大規模なものが整備されていったため、定期便として飛行艇を使う理由がなくなりつつあり、結局、採用する会社は現れず試作機3機の製作で終わりました。
そのうち話が出ると思いますけど日本の民用航空でも飛行艇を使っていた時期があったんですね。伊丹~新居浜とか…
昔(第二次世界大戦以前)の大型機や高速機に水上機(飛行艇ふくむ)が多かったのは、離陸滑走距離によるものだと聞いたことがある。すなわち、大型機/高速機は長~い滑走路が必要となるけどそんな滑走路は非現実的で、それならほぼ無限に近い様な海の上を滑走して離陸(離水)すればいいじゃん、ということだったんだそうで。
「紅の豚」で高速水上機が飛び回ってたのも、そんな理由。フラップが進歩して現代の陸上機の時代になった。
本記事にはいざという時に着水できたからという事だけが水上機だった理由みたいに書いてあるので、追加のネタとして書いときます。