「敵に『まさか!』と思わせた航空作戦」3選 零戦の真価 原子炉爆撃 イギリスの意地

「まさか防空網の死角を突いてくるなんて…」

 イスラエル軍は1981(昭和56)年6月7日に、イラク タムーズの原子力施設にあるオシラク原子炉を爆撃します。これはイラクが同施設を軍事転用し核兵器を持つ危険性があるとして、自衛手段と主張するイスラエルが平時に行ったもので、「バビロン作戦」あるいは「イラク原子炉爆撃事件」との呼称で知られるものです。

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イスラエル航空宇宙軍のF-16戦闘機(画像:アメリカ空軍)。

 この作戦はかなり大胆なもので、イスラエルを発った航空機がヨルダン及びサウジアラビアを領空侵犯してイラク領内に侵入し爆撃するというものでした。

 この作戦以前はイスラエルの諜報機関 モサドが、原子炉の建造国であるフランスや欧州で妨害工作をしていましたが、建設を止めるには至りませんでした。そうした折に発生したイラン革命により、アメリカがイランへの輸出を中止したF-16戦闘機をイスラエルが購入することで、航空機の航続距離に問題がなくなり実行されました。

 このときの侵入路は、事前にモサドの諜報活動により掴んでいた情報から設定したもので、イラクの防空網の穴になっていました。イラク軍は当時、どこからの攻撃かわからず、イランの可能性も疑ったほどでした。また偶然にも、当時のヨルダン国王・フセイン1世がバカンス中のクルーズ船で、猛スピードで低空を飛行するイスラエル軍機を発見し、あわてて国防軍司令部に確認の連絡をしたそうです。

 原子炉破壊は誘導装置がない自由落下式の爆弾で行われましたが、作戦に参加した8機のF-16は施設の近くまで100フィート(約30m)の超低空飛行で侵入し、標的目前で5000フィート(約1500m)まで上昇。さらに急降下しつつ爆撃し、建造中の建屋に16発中14発を命中させるという、全盛期の日本海軍艦爆隊やドイツ空軍のスツーカ乗りもビックリな離れ業をやってのけます。ちなみに、作戦に参加したパイロットのひとりには、のちに宇宙飛行士となりスペースシャトル・コロンビアの事故で落命した、イラン・ラモーンさんもいました。

 なおこの作戦の後、イスラエルは国際社会から非難されました。

【画像】まさかこの距離を飛ばすとは…フォークランド戦争 アセンション島の位置

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コメント

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3件のコメント

  1. 日本は奇襲なら強いがアドリブには弱くて負けた?

    • 油断してただけじゃないすか?

  2. バルカンって宮崎駿の作品に出てきそうな風防してるよね