進む羽田空港の国際線化 いつ・なぜ始まったのか 以前は「羽田は国内 成田は国際」

羽田空港の国際線化 その背景にあったものとは

 羽田空港のD滑走路と国際線ターミナルが供用開始された当時、アジアでは韓国の仁川国際空港やシンガポールのチャンギ国際空港などが就航都市を増やし続けていました。いずれも24時間使うことができ、国際線ネットワークが広く、乗り継ぎの便利なことが大きなセールスポイントでした。そしてこれら空港の台頭は、アジア地域内の国際線ネットワークにおける、日本の立ち位置を揺るがす恐れがあったのです。

 一方でその当時、日本の首都圏における国際線航空便の玄関口であった成田空港は、周辺住民からの反対もあり24時間運用は難しく、拡張にも時間を要します。そこで、成田空港だけではなく、拡張した羽田空港があわせて国際線を受け持つことで、アジア他国の空港に引けを取らないネットワークを作る、というのが国土交通省の意図のようです。

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羽田空港のD滑走路(画像:写真AC)。

 開設当初は、アジア近距離路線のみだった羽田空港の国際線ですが、徐々に欧米線などの長距離路線を拡大、そして「東京オリンピック・パラリンピック」を控える2020年3月29日には、これまで手薄だった午前6時から22時55分までの「昼間時間帯」を中心に増便し、最大で従来の1.7倍の増便が図られます。

 一方の成田空港は、2010年以来、いわば羽田空港に国際線を「取られた」形になってしまっていますが、発着回数は2012(平成24)年から年々上昇しており、旅客数も2019(令和元)年に過去最高となるなど、賑わいは変わらないようです。

【表】伸びる成田空港の発着回数と利用者数

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コメント

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2件のコメント

  1. 昔、成田空港反対派は「廃港」などといっていた。しかし新型肺炎の蔓延による航空重要減が続けば、羽田とは貨物と旅客で住み分けが可能だったりして。少なくとも、不安全が噂される羽田への陸側からの侵入ルートを運用するのは取り止めてもらいたい。

  2. 記事中に「羽田空港」の正式名称である「東京国際空港」や運営である「東京国際空港ターミナル株式会社」などは書かなくて大丈夫なのですか?