ふたり乗りベビーカー「たたまずバス乗車OK」国が見解 なおも課題 周囲の協力不可欠

運転者の負担は確実に増 周囲の協力が不可欠

 国土交通省が発表した、バスにおけるふたり乗りベビーカーの取り扱い方法は、次のような内容です。

●バス事業者に求める対応
・バスへの乗降は、求めに応じ運転者が補助。
・横型のふたり乗りベビーカーの場合は、車内中ほどの車いすスペースに案内し、設置された座席の跳ね上げを運転者が補助。
・跳ね上げ座席に座っている人がいれば、移動を運転者が要請。

●ベビーカー使用者に求める対応
・ベビーカーのシートベルト着用。
・ベビーカーの正面をバスの進行方向後ろ向きにし、座席付属のベルトでベビーカーの2か所を固定。
・ベビーカーの車輪をロックし、走行時は片手でハンドルを支える。

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座席付属のベルトによるベビーカーの固定位置。横型ふたり乗りの場合(画像:国土交通省)。

 なお、この扱いは小型バスなど構造上難しい車両や、山道を走るような路線では必ずしも当てはまらないとのこと。また、すでに車いす使用者などが車いすなどを固定して乗車している場合は、次のバスに乗車してもらうよう案内する必要がある、ともしています。

 こうした対応は、当然ながら運転者にさらなる負担を求めることになります。国土交通省安心生活政策課は、「周りの方の協力が不可欠です。乗車に時間もかかってしまいますが、どうか、温かい目でゆずり合っていただきたい」としたうえで、次のように話します。

「そもそも、ベビーカーマークを策定したのも、『車内ではベビーカーを折りたたむのが常識』だったのを、『折りたたまないのを常識にしよう』という意図がありました。しかし、子育ての経験がない方や感心のない方にとっては、そのマークも単なる風景の一部になってしまいます。ゆずり合いの心で、子どもをみんなで育てようという意識を広めるうえでも、引き続きキャンペーンなどを通じ、ベビーカー利用への理解・配慮を求めていきます」(国土交通省安心生活政策課)

 ちなみに、双子などの「多胎児」は毎年およそ100人に1人が出産しており、50年前と比べて約2倍、不妊治療や体外受精などの増加が背景にあるといわれます。この場合、出産後も医療設備の整った病院に通う必要があり、実際、親が複数人の乳幼児を連れて公共交通機関を利用する姿も以前に比べ多く見られるようになったそうです。

【了】

【写真】バス車内でふたり乗りベビーカーを使用した様子

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コメント

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4件のコメント

  1. 充分に配慮されてるじゃねえか ベビーカー云々は まだ何か不満か?

  2. 車種にもよるし、シートレイアウトによっては乗せようにも乗せられないこともある訳で、来たバスに今すぐ乗りたいというのもねぇ。
    事前に連絡して配送車を変えてもらうとか、ドライバー以外(ベビーカー以外は指導ドライバー扱い)の人間も配置してもらうかとか考えないと相当無理があるのでは?
    そうなると事前にと言っても折り返しの車両もあるから、場所によっては遅くとも半日前ぐらいには連絡しないといけないだろうし、周囲の人間の協力と言っても古いタイプのバスだとそもそも二人乗りベビーカーでは協力しようもない時もあるだろうに。

  3. 文句を言うのは子育てに縁のない魔法使いさんかな

    • 文句を言わないのはバスに乗れないサルかな?
      話の本質が見えていない。