ソ連と米英の技術を合体 イスラエル戦車「チラン」とは? 元T-54/55 最後は装甲車に

2010年代初頭、「MOTTAINAI:もったいない」という言葉が環境問題で注目されましたが、イスラエルはタダで手に入れたとある戦車を実に大事に、戦車として使えなくなっても改造してまで使用してきました。

使えるものは大事に使う 「チラン」改め「アチザリット」

 1970年代末、イスラエル初の国産戦車「メルカバ」が登場し、1980年代に入って運用数が増えると、「チラン」は予備装備に回されるようになります。それでもイスラエルは、「メルカバ」の運用数が増えたからといって「チラン」を退役させることはせず、今度は砲塔を外しAPC(装甲兵員輸送車)として使うことを計画しました。

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「チラン」戦車の砲塔を外し、装甲兵員輸送車に作り変えた「アチザリット」。足回りにT-54/55戦車の面影が残っている(画像:イスラエル国防軍/IDF)。

 戦車であった「チラン」は、最初からAPCとして作られたアメリカ製のM113装甲車などよりも強力な装甲を持っています。そこでイスラエルは、エンジンをコンパクトなものに載せ替え、空いたスペースを通路にして車体後部にも乗降ハッチを設けるなどの大改修を施し、「チラン」をAPCに仕立て直しました。

 こうして生まれた新型APCは、新たな愛称として「アチザリット」と名付けられ、1990年ごろから第一線で使用が開始されました。そののち、履帯(いわゆるキャタピラ)を「メルカバ」と同じものに変えたり、防御力強化のために増加装甲を増設したりして、2020年現在も「アチザリット」の運用は続いています。

 使える兵器は最後まで有効活用し、国防の任を果たす。T-54/55改め「チラン」、そして「アチザリット」には、イスラエル軍の徹底した国防思想が垣間見えるといえるでしょう。

【了】

【写真】エジプト軍のT-54をお持ち帰り中のイスラエル軍

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子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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