広大なキャンパスはバス天国! 「マイカー通学問題」改善 街にも好循環 筑波大の交通改革

地方の大学では、学生のマイカー通勤に悩むケースがしばしば見られます。駐車場不足だけでなく渋滞やマナーの面で地域とのトラブルにもつながる問題に、路線バスの格安フリーパスで対応した筑波大学のケースなどを見ていきます。

「バス天国」筑波大 秘密は「格安乗り放題パス」

 9つの学部に相当する「学群」を擁する筑波大学は、学生、関係者あわせて約2万人が在籍しています。南北に5kmほど伸びる広大なキャンパスの外周道路では、構内を循環する右回り、左回りの系統をはじめ、1時間あたり10本ほどのバスが運行されるため、大して待たずに乗車できます。ただし2020年4月現在は、新型コロナウイルスの影響により大学が休学しており、バスも休日ダイヤでの運行や終バス繰り上げなどの措置がとられています。

 これらキャンパス内を経由するバスは、鉄道の最寄り駅であるつくばエクスプレスのつくば駅や、キャンパス内にある東京直通高速バスの終点(筑波大学バス停)から目的地への輸送だけでなく、構内に点在する学生宿舎からの通学や講義棟の移動にも使われるため、短距離の乗車もかなり多いのが特徴です。

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筑波大学構内に乗り入れる東京駅直通高速バス「つくば号」ジェイアールバス関東担当便(2015年9月、宮武和多哉撮影)。

 有料の一般路線バスであるこれらを、学生がここまで気軽に利用している背景には、筑波大学の関係者のみに発売されている、年額9500円の「フリーパス」があります。既存の学生証にステッカーを貼り付けるだけの、いたってシンプルな仕様のこのフリーパスは、通常の乗車が1回260円なので、年間20往復、雨の日だけの利用でも十二分に元がとれるものです。新入生は入学して、とりあえず購入しておくという感覚のもののようです。

 もっとも、かつてはこのようなバスが、無料で運行されていた時期もあります。

 1970年代の開学した頃に運行されていた「学内バス」は関係者専用で、運行範囲が学内のみであったことや、本数の少なさもあり、無料にもかかわらず利用者は1便あたり平均11人と伸び悩んだそうです。大学周辺は、もともと新交通システムの建設が想定されるほど人口の伸びしろが見込まれており、実際に開発が進むにつれ、渋滞が悪化していきました。そして平成に入り、大学の独立行政法人化で人員の削減を求められたこともあり、筑波大学単独で無料バスを維持できなくなったのです。

【路線図】とにかく広い! 筑波大学内をくまなく結ぶ路線バス

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