広大なキャンパスはバス天国! 「マイカー通学問題」改善 街にも好循環 筑波大の交通改革

好循環を生む大学の交通改善 さらに進化

 筑波大学における「キャンパス交通システム」の効果は、地域に好循環をもたらすだけでなく、他地域にも活かせる研究事例として、交渉過程も含め詳細に記録されています。人が過ごしやすい街をつくる「社会工学」が研究に含まれる大学にとっては、良い「ケーススタディ」(実際の事例からの学び)であると言えそうです。

 そしていま、各地の大学で交通の改善に向けた取り組みが進められています。筑波大学以上に広い福岡市の九州大学 伊都キャンパスでは、AI(人工知能)を活用し、乗降リクエストに対して効率的な車両やルートを自動的に算出して運行するデマンドバスが導入され、乗車率の向上などにつながっているそうです。大学生が広いキャンパスをどのように移動したかというデータの応用も視野に入れられており、これが数年後には、さまざまな街の交通改善に生かされているかもしれません。

 余談ですが、「広大なキャンパス」と聞くと、北海道大学、とりわけその札幌キャンパスを想像する人も多いでしょう。その面積は東京ドーム38個分という広大なものですが、実験用の農場などを除くと、キャンパス内の実質的な移動距離は存外短く、関係者は無料の構内バスで移動できるそうです。ただ、札幌駅から1kmほどの立地にもかかわらず冬場の降雪や吹雪は凄まじく、「キャンパスで遭難」しそうになることもあるのだとか。なおキャンパス単独の面積では、前出の九州大学 伊都キャンパスが北海道大学 札幌キャンパスを上回っています。

【了】

【路線図】とにかく広い! 筑波大学内をくまなく結ぶ路線バス

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」として国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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