広大なキャンパスはバス天国! 「マイカー通学問題」改善 街にも好循環 筑波大の交通改革

地方の大学では、学生のマイカー通勤に悩むケースがしばしば見られます。駐車場不足だけでなく渋滞やマナーの面で地域とのトラブルにもつながる問題に、路線バスの格安フリーパスで対応した筑波大学のケースなどを見ていきます。

有料化でむしろ便利に 格安の背景に「大口特約一括契約」

 無料バスの代替として、並行する一般の路線バスに学生が格安で乗車できるシステムが必要とされていましたが、その割引率をめぐって、バスを運行する関東鉄道のみならず、「極度な割引は一般路線バスとして公正ではない」とする関東運輸局との交渉も難航を極めました。

 最終的には、大学が関東鉄道へ5000万円を支払い、定期券6000枚を一括購入する「大口特約一括契約」という全国でも例を見ない措置により、2005(平成17)年のつくばエクスプレス開業とともに、現在の形態の「筑波大学キャンパス交通システム」が運用を開始しました。なお、関東運輸局に対しては、関東鉄道が筑波大学以外の組織にも「大口特約一括契約」に応じるとし、公平性を担保しています。

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つくば駅隣接のバスターミナル「つくばセンター」までも、フリーパスで利用可能(2016年8月、宮武和多哉撮影)。

 こうして誕生した「キャンパス交通システム」のフリーパスは当初、学生4200円、現在の半額以下という破格の価格設定でした。告知不足もあって初年度の売上は3000枚以下と伸び悩んだものの、翌年には倍増するなど、着実に利用者を増やします。背景には、「新入生向けに配る不動産案内一覧の、バス停に近い物件へ赤丸をつける」など、大学関係者の地道な努力もあったそうです。無料バスを直接運営していたころに年間7000万円かかっていた経費も、6割以上削減できたのだとか。

 また、筑波大学周辺の一般路線バスにおける学生利用の定着は、思わぬ効果を生みました。バスを利用する学生は、講義が終わったあと、夜に営業する店舗も多いつくば駅周辺へ出かける傾向があるそうです。そのように地域へ利益をもたらしたほか、マイカー通学の抑制により渋滞の減少につながったうえ、さらにキャンパス内の二酸化炭素排出量も1割以上、減少したそうです。

【路線図】とにかく広い! 筑波大学内をくまなく結ぶ路線バス

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