「正しく恐れろ」見えない敵と戦う陸自化学科 新型コロナ禍に注目したいその姿勢

陸上自衛隊化学科の部隊は、地下鉄サリン事件や福島第一原発の事故などにも対処してきた、「目に見えない敵」と戦う部隊です。その恐怖に立ち向かう姿勢は、新型コロナの脅威にさらされるなか、大いに参考になるものでしょう。

陸自化学科に配備される装備は…?

 化学科部隊には、放射性物質や生物兵器、化学兵器などに汚染された地域へ進出して、どのような物質が存在し、どの程度、汚染されているかを偵察するNBC偵察車や化学防護車のような装甲車のほか、汚染された地域や施設の大規模な除染を行なう「除染車」という車両が配備されています。

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陸上自衛隊の除染車。写真は第1師団 第1特殊武器防護隊の訓練の様子(画像:陸上自衛隊)。

 除染車は73式大型トラックに、容量2500リットルの水槽と水を加熱する装置、除染剤の散布装置を搭載した車両です。加温装置は摂氏15度の水2500リットルを、1時間で摂氏45度に加温する能力を備えており、車体前面と側面に散布ノズル、後部に約15mのホース付きの放水銃を装備し、これにより温水を散布して、汚染された地域を洗浄します。

 除染車は前に述べた地下鉄サリン事件の際、サリンに汚染された地下鉄車両の除染に使用されたほか、1995(平成7)年1月に発生した阪神淡路大震災や、2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災、さらには2004(平成16)年12月に発生したインドネシアのスマトラ沖地震にともなって発生した津波災害を救援するための自衛隊の海外派遣でも、多数の遺体から伝染病などの発生を防ぐため、被災地域の除染にあたりました。

 また中央武器特殊防護隊には自衛隊の基地や駐屯地、さらには外部で発生する、化学物質や油脂などの燃焼をともなう「化学火災」と呼ばれる火災に対処するための、「液体散布車」と「粉末散布車」も配備されています。それぞれ液体化学消火剤、粉末化学消火剤を散布して、水では消火がしにくい化学火災に対処するものです。この両車両は中央特殊武器防護隊の観閲行進にもほとんど参加しないため、部外者はあまり目にする機会は多くないといわれています。

【写真】実はレア? 観閲式に登場した「粉末散布車」

【新型コロナウイルス対応特集】新幹線や飛行機の換気はどうなってる? 定期券払い戻しの注意点など

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