ドライブスルー図書館 本の宅配も 閉鎖続く図書館クルマに着目 新型コロナ転機に?

図書館員による「本の宅配」サービスも

 一方、兵庫県の相生市立図書館では、本を取りに来てもらうのではなく、予約図書を利用者の自宅へ届けるサービスを5月7日(木)から始めました。ウェブサイトでは、「図書館スタッフが宅配いたします。不慣れなため、道をお尋ねしたり、時間がかかったりすることがあるかもしれません」としています。

 この4月から相生市立図書館の指定管理を受託したシダックス大新東ヒューマンサービスによると、ドライブスルー方式も検討はしたものの、図書館の立地の問題や、渋滞による周辺道路の影響を考慮し、相生市と協議のうえ見合わせたそうです。

 そこで臨時休館中のサービスとして「図書の宅配」を始めたそうですが、これはもともと、指定管理を受託する際に企画のひとつとして市へ提案しており、それが新型コロナの影響により、前倒しで始めることになったのだとか。「市民、利用者の皆様に少しでも喜んでいただきたい」との思いだといいます。

「図書の宅配は、身体の不自由な方など、図書館に来館したくてもできない方に向けたサービスとして、2020年度秋から実施予定でした。当社が受託運営を行う他館で同サービスを行っており、大変喜ばれましたので、この事例を水平展開しました」(シダックス広報)

 なお相生市立図書館における図書の宅配サービスは、相生市民で図書カードを持っている人が対象で、電話と同図書館WEBサイトで予約を受け付けています。現在のところ5月末までの臨時休館中のみの実施を予定してはいるものの、通常どおりの開館を再開した後も状況が整い次第、当初の通り身体の不自由な人などを対象に実施予定とのことです。

 大型連休中に政府は、図書館や博物館など公共施設の利用制限を一部緩和する方針を打ち出し、5月11日(月)の週から通常開館を再開しているところもあります。緊急事態宣言下で始まった、図書館におけるクルマに着目したサービスが、「新型コロナ後」につながっていくかもしれません。

【了】

【画像】立地が利いてる宇部市立図書館本館の「ドライブスルー図書館」

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