新型コロナで大ダメージのバス業界 復興への道 路線/高速/貸切バスそれぞれの課題

高速バスは路線タイプ別に影響異なる 路線バスは?

 それに対し高速バスは、路線のタイプ別に、通常の運行体制へ順次戻っていくと考えられます。

 もともと、地方部で高速バスは大きなシェアを持っています。特に片道2時間から4時間程度の昼行路線は、地元から都市への足として根付き、老若男女幅広い利用が定着しています。また片道1時間程度の短距離路線は、通勤通学需要が中心です。このような距離の短い路線から順に需要が回復するでしょう。

 ただし、もともと高速バスを支えていた、大都市でのコンサートや有名店でのショッピング、出張など、地方の人が都市へ向かう需要自体が、以前のレベルまで回復しない懸念もあります。長距離の夜行路線は採算性に劣るため、乗車率が回復しなければ廃止もあり得ます。

 もし感染が順調に収束すれば、大都市発の旅行需要は、長い自粛の反動で回復が考えられます。当面、海外や遠方への旅行より近場に人気が集まるでしょう。富士五湖など大都市近郊の観光地や温泉、屋外型のテーマパークやアウトレットモールなどの目的地は、もともと都心や郊外住宅地から直行する高速バスが充実しています。

 旅行需要の回復のため、国の補正予算に観光産業支援が計上されており、そこには国が割引クーポンを発行する施策が含まれています。宿泊費や土産物だけでなく、渋滞防止のためにも往復の交通機関を割引の対象とすることが期待されます。

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緊急事態宣言下、路線バスは一部減便したものの、多くは通常運行を続けている(2020年4月、中島洋平撮影)。

 一方、路線バス分野の展望は複雑です。「緊急事態」のあいだ、輸送人員はおおむね4割程度にまで減少したものの、地域公共交通という役割のため、赤字でも運行を続けました。このことが後日まで影響しそうです。

 大都市の大手私鉄系バス事業者は経営体力が大きく、即座に経営破綻などは考えられませんが、地方部が心配です。すでに、例年なら4月に売れるはずの定期券が一斉休校によって販売できず、当面の活動に必要な資金が不足気味です。さらに、もともと赤字の路線に対する国や自治体の補助金の額は、過去の赤字額を元に事前に決まっています。今年度は当然に赤字額が増加すると予測されるので、補助金制度の特例的な運用が望まれます。

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コメント

1件のコメント

  1. 感染はよく抑え込んでるとは思うけどウイルスって抗体あってこそだからね、しかしバス会社の車庫はバスで連日満車だよね
    収束はするだろうけど最悪な事態は今年の秋以降だろうね。