V2ロケットとジャガイモの意外な関係 WW2期ドイツ製「弾道ミサイルの祖」失速のワケ

ドイツといえばジャガイモ料理で知られますが、WW2期にロンドン市民を恐怖のどん底に陥れた、当時のドイツ製最新鋭兵器とジャガイモが深い関係にあったことはあまり知られていないかもしれません。意外なその顛末を追います。

突如飛来 迎撃不可…V2は決戦兵器たりえたのか

 ロケットは空軍管轄のようですが、遠方に火力を投射する大砲の延長線ということで、陸軍管轄とされています。

 1944(昭和19)年9月7日、陸軍砲兵第444中隊が史上初めて弾道ミサイルV2をパリに向けて発射しました。しかし発射された2発はいずれも途中で墜落してしまいます。第444中隊は9月8日に再びV2を発射、パリ郊外に着弾しますが、ほとんど被害はありませんでした。

 そして同じ9月8日、第485砲兵大隊がロンドンに向けて2発を発射、市街に着弾して死者3名、重軽傷18名の被害を出しています。しかしV2の命中精度は悪く、ロンドン市街地のどこかに着弾すればめっけものというレベルでした。それでも超音速で前触れもなく飛来し、迎撃不可能なV2に、ロンドン市民は多大な不安にさらされます。弾道ミサイルが心理的兵器と呼ばれる所以です。

Large 20200528 01
1945年に連合軍が撮影したV2のロケットエンジン工場(画像:ドイツ連邦公文書館)。

 弾道ミサイルを食い止めるには、発射される前に破壊するのが最も確実ですが、V2は工夫を凝らした移動発射式だったため、制空権を確保していた連合軍でも発射前に捕捉して攻撃するのは困難でした。発射時の長く伸びる白煙は上空から目立つのですが、発射点に攻撃機が到達するころには、部隊は移動してしまっています。実際に発射準備中に空爆を受けたという記録はありません。

 生産工場も、ドイツ中部のテューリンゲン州ノルトハウゼン近郊の岩塩採掘抗内に設けられており、爆撃では破壊できません。連合軍にとって、V2を防ぐ有効な手立てはありませんでした。

 まさに「人類は耐えることはできない」決戦兵器に思えますが、その後V2は急速に失速してしまいます。原因はジャガイモでした。

【写真】V2は兵器として実際どの程度だったのか ロンドン側の被害の状況 ほか

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス