高速バス 新型コロナからの運行再開 「密」回避に知恵絞る業界 今後の需要と課題

バスターミナルは入場制限で「密」回避

 全国に夜行路線を多く展開するJAMJAMエクスプレスや桜交通は、乗車前に乗客の体温チェックを実施します。ウィラーは、まず昼行便の一部で運行を再開し、座席に設置されているカノピー(折りたたみ式フード)に、使い捨てのカバーを装着するとしています。

 一部の事業者では、乗務員にとっても長い休業からの復帰でもあります。6月1日(月)から夜行便「ナイトライナー」 の一部を再開する東京富士交通(東京都清瀬市)取締役の俵 徹(たわらとおる)さんは、「入念に試走を重ねているところ」と話します。さくら観光バス(埼玉県久喜市 )は、通常は1人乗務の路線についても、当面、2人乗務で運行します。本社営業所の天野堅太さんによると、「乗務員に無理がかからないよう、念を入れて配慮します」とのことです。

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東京富士交通が運行する夜行バス「ナイトライナー」は、全便運休からの運行再開(2018年2月、中島洋平撮影)。

 感染拡大防止に努めるのは、バス事業者だけではありません。日野自動車、三菱ふそうトラック・バスなどの車両メーカーは、車内エアコンの「外気導入モード」を選択すれば、室内の空気は5分程度で入れ替わるとして、バス事業者に推奨しています。

 バスターミナルの運営側も同様で、おもに長距離夜行路線が数多く発着する停留所「東京駅鍛冶橋駐車場」は、待合スペースでの「密集」を避けるため入場制限を実施します。当面のあいだ、乗客は、発車時刻20分前を過ぎなければ場内に入ることができません。バス事業者は、マスクの着用や、車内での会話を控えることを乗客に求めていますが、発車時刻に合わせて乗り場に向かうこともまた、乗客に求める、協力事項のひとつなのです。

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