米海軍曲技飛行チーム「ブルーエンジェルス」所属 「異色」の機体が務めた役割とは?
歴史あるアメリカ海軍のアクロバットチーム「ブルーエンジェルス」は、その名の通り代々、青い機体を使用していますが、なかには例外もありました。黄色地に青の文字、そして、どこかで見たような赤い丸を掲げていたといいます。
「ビートル・ボム」の最期
1949(昭和24)年、「ブルーエンジェルス」はF9F「パンサー」戦闘機に機種変更します。これにより、使用する機体が初のジェット機になりましたが、「ビートル・ボム」については機種変更されず、レシプロエンジン、いわゆるプロペラ推進のF8F「ベアキャット」のままでした。

それから約1年後の1950(昭和25)年4月24日、フロリダ州ミルトンにある「ホワイティングフィールド」海軍航空基地での練習飛行中、「ビートル・ボム」は墜落します。
この事故により「ビートル・ボム」の運用はピリオドを打ちました。「ブルーエンジェルス」の演目から模擬空中戦は消え、また異なる機種を同一運用することも終わりを告げました。
2021年に「ブルーエンジェルス」は創設75周年を迎えます。アクロバット飛行チームというと、日本の「ブルーインパルス」なども含めて同一の機体で統制のとれたフライトというのが定番ですが、「ブルーエンジェルス」は長い歴史のなかで異機種混成だった時代が短期間ながらもあったのです。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
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