新型コロナ下JALのCA在宅研修 「Zoom授業」で思わぬ効果アリ? 講師のチョイスも工夫

頼れる先輩ファシリテーター Zoomならではスキル向上も

 JALによると、前述したファーストクラスのリモート研修を履修しているのは、CAの現場にある程度慣れ、同クラスの乗務資格は取得できたものの、まだ入社数年の若手であるといいます。にもかかわらず、いわゆるステータスの高い利用者が多いなかで乗務するにあたり、これから「JALらしい付加価値の高いサービス」を提供しなければならないことや、機内食の盛り付け手順やバリエーションといったサービスを覚える量も膨大であるなど、大きなプレッシャーを感じるものといいます。

 また、資格を得たからといって実際に頻繁に乗務するわけではないとも。加えて、新型コロナによる国際線減便の影響を受け乗務の機会は一層減っており、履修生の大半はまだファーストクラス乗務を経験していないとのことです。

 こうした履修生に、画面の向こうから身近な先輩として悩みを共有しつつ、トップダウンで答えを教えるわけではなく、道筋を示してあげる、というのがファシリテーターの役割なのだそうです。

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リモート授業を企画したJAL客室品質企画部 岡部有里マネジャー。実際にCAとして乗務することもあるという(2020年6月16日、乗りものニュース編集部撮影)。

 この研修を企画したJALの客室品質企画部 岡部有里マネジャーによると、Zoomを使うことにより、新たな効果も期待できるといいます。

「コロナ禍で企画されたこのZoomの研修では、言葉遣いや表情などをメインにチェックします。使ったことがある方ならお分かりになるかと思いますが、カメラに映った自分の顔を見ることができるのです。なかなかサービスを提供しているときの自分の顔を見ることはできないので、ロールプレイや今後のサービス品質の向上に、役立つ可能性があるのではと考えています」(JALの客室品質企画部 岡部有里マネジャー)

 2020年6月16日時点では、先述の1800人の対象者のうち、40クラス、約650人が6月末までに研修を完了する見込みといいます。講義後に行われたアンケートでは、受けてよかったとの反応が多いとのことです。

【了】

【写真】コロナ禍でも研修に励むJALのCA

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