ドラマと違う救援便パイロットの裏側 国から表彰のANA「武漢チャーター」乗員に聞く

2020年1月、新型コロナ下の中国 武漢へ邦人救出のためチャーター便を運航したANAが、外務省から感謝状を受け取りました。TVドラマでは「機長のご指名」でパイロットが決まるエピソードもありましたが、実際にはどうだったのでしょうか。

救援チャーターのパイロット CAの決め方は?

 航空会社のパイロットは、同時期に複数タイプの飛行機を操縦することはないのが一般的です。先出の支倉機長によると、武漢チャーターの担当者はボーイング767型機の運航資格を持っているなかでも、武漢便への乗員資格を持ち合わせる者に限られ、さらに経験も考慮したといいます。

 そうしたなかから10人超のパイロットがリストアップされ、順次、初便の副操縦士やその後のフライト担当者が決められたとのことです。なお、チャーター便は全便において、機長の資格を保有したパイロットふたりが乗り、片方が副操縦士の業務もこなす「ダブルキャプテン制」で運航され、機長3人で乗務した便もあったそうです。

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ANA武漢チャーター便対応社員記者会見の様子。一番右が支倉暢彦機長、2番目がチーフパーサーの石黒麻里子さん(2020年6月23日、乗りものニュース編集部撮影)。

 また、初便を担当したチーフパーサーで、客室センター客室乗務三部リーダーの石黒麻里子さんによると、初便のCAは時間のないなか、当日乗務可能な者のなかから決められ、それ以降の便は勤務シフトなどの関係を見ながら、「会社からの指名」を受けて担当することになったとのことです。

 石黒さんは、チャーター便の機内の様子を次のように話します。

「搭乗されたお客様は、機内に入られると安どの表情を浮かべ、すぐにお休みになられる方が多くいらっしゃいました。そのためゆっくりお休みいただけるよう、離陸前に照明を落とし、出発直後などの機内アナウンスを控えるなど、その便に合わせた対応を工夫した記憶がございます。降機の際には、笑顔で『ありがとう、お疲れ様でした』とお声がけいただいたのが印象的です」

 ANAは武漢への救援チャーター便で、帰国希望の日本人とその家族計828人を輸送しました。感謝状の授与式と会見には先述のふたりのほか、武漢支店の支店長、ANAグループの地上係員、空港センターの品質管理チームのマネージャー計5人が登壇し、表彰と質疑応答を受けています。

【了】

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