ピックアップトラック 止まらぬ高級化 日本の軽トラ的な実用車がなぜ?

たとえるなら日本の軽トラ のはずが…

 では、なぜアメリカで巨大なピックアップトラックの人気が高いのでしょうか。

 まず、アメリカは世界でも屈指の農業国です。そのため農業に利用できるピックアップトラックのニーズが、どこよりも高いというのも理由のひとつ。フォードの「Fシリーズ」は1948(昭和23)年に誕生し、丈夫な実用車としてすぐにヒット車となりました。日本でも、同じように農業に使われる軽トラックは、日本中どこでも目にするヒットモデルですが、日本の軽トラックと同じポジションが、アメリカのピックアップトラックと見ることもできます。

 またピックアップトラックは、保険なども安く、ヒット車ですから中古車の数も豊富に存在します。乗用車ベースのSUVと比べると、エントリー・グレードの価格も実用車であるピックアップトラックは低く抑えられています。そうしたコスパの良さも数多く売れる理由でしょう。

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フォード「F-150」(画像:フォード)。

 しかし、いくら農業国で、しかも安くても、それだけで国内販売ナンバー1になることはあり得ません。日本でどんなに軽トラックが増えても、いちばん売れているクルマはほかに存在します。

 やはり販売ランキングで1位になるには、普通の人が、乗用車代わりに使うようなクルマしかあり得ません。そういう意味で、フォードの「Fシリーズ」が販売ナンバー1になった1981(昭和56)年ごろには、すでに「ピックアップトラックを乗用車として使う」という文化がアメリカに定着していたと推測されます。

 そして、アメリカのように土地も道も広く、しかもガソリン価格が安ければ、クルマが大きくて困ることはありません。そうであれば、小さいよりも、大きなクルマが好まれるのは自然なこと。ピックアップトラックはトラック由来ですから、乗用車よりも大きくて当たり前。その大きなクルマ=ピックアップトラックを乗り回す人を格好良いと感じるのも、それほど不思議なことではありません。

【写真】 各メーカーの「海外限定」ピックアップトラック

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コメント

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1件のコメント

  1. 軽トラ相当というよりはリアトランクに蓋が付いていないセダンって感じですね