東北の「謎の白い球体」結局何だったの? 考えうるその正体 他国の気球なら領空侵犯か

UFOか、はたまたどこぞの国の観測気球か……2020年6月、日本中が注目した東北地方の空に浮かぶ謎の白い飛行物体、あれは結局のところ何だったのでしょうか。これまでの情報などからその正体について考察します。

巡航ミサイルの元祖? 意外と古い「軍用気球」の歴史

 軍用気球の歴史は古く、1800年ごろのナポレオンの時代には観測用気球が存在していました。また記録に残る最古の実戦投入事例は、1849年にベネチアを包囲するオーストリア帝国軍が無人の熱気球に爆弾を搭載し爆撃を行った作戦であり、風任せではありましたが「自爆型ドローン」「巡航ミサイル」の元祖であるといえます。

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アメリカ軍が開発した偵察用気球「ジェネトリクス」(画像:アメリカ空軍)。

 気球は、飛行機の登場によって航空の主役の座は奪われたものの、それでもなお燃料を必要とせず長時間滞空可能であること、戦闘機の実用高度(高くとも2万mを超えない)をはるかに上回る高高度を飛べる特性を活かし、たとえば太平洋戦争中に日本軍がアメリカ本土爆撃を行った「風船爆弾」や、冷戦期にはソビエト領内で情報収集を行うアメリカ軍の「ジェネトリクス」などが実用化され、現在も通信衛星のような電波中継など様々な用途で使われています。

 結局、現時点では6月に飛来した気球状飛行物体が何を目的としていたのか、それとも何かしらの単なる事故であったのか、軍用であったのか民間のものであったのかも分かりませんが、自衛隊の対応としては特別な脅威はないため、レーダーなどで監視するに留めたのではないかと思われます。

 なお空対空ミサイルや地対空ミサイルによって物理的に撃墜すること自体は、恐らく可能だったはずです。

【了】

【写真】旧日本軍が実用化した史上初の大陸間兵器「風船爆弾」

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

1件のコメント

  1. 宮城・山形の県境かどこかで数人の外国人とおぼしき女が夜中に何やら球体をいじってたとか飛ばそうとしてたとかで警察に通報したとかってツイートが上がってた時があったけど、結局あれってデマだったん?

    もし、デマじゃなかったら警察はちゃんと動いたんかな?

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