老朽化するジェットフォイル 技術は絶えてしまうのか 25年ぶりの新造に続く動きも
建造費支援はさらに充実 それでも…
鉄道・運輸機構によると、「速い船」としてのジェットフォイルの有用性は、国も認めるところだといいます。運航時間が短縮されることで、ほかの交通との接続もしやすくなり、観光の活性化にもつながるとのこと。また、医療が不十分な離島から本土の病院へ患者を素早く運べるほか、伊豆諸島の場合は災害時にすぐ島から避難できる小回り性能の良さなどが、東京都による「結」の建造費支援につながりました。
同機構はジェットフォイルの置き換えを推進すべく、2020年度からは、建造費に対する共有比率(支援額)の上限を一定の条件のもと70%まで引き上げるなど、制度の充実を図っています。「さらに自治体が20%を支援し、事業者の負担は10%」という枠組みだといいますが、それでもやはり、事業者や自治体にとっては価格がネックになっているといいます。
「新造船はバリアフリー対応になるため、船内環境はよくなり、運航面では最新のレーダーなども搭載され、操船もしやすくなります。現在、船舶業界は船員も船そのものも高齢化が進んでおり、ましてや特殊な船であるジェットフォイルは、その技術者までもいなくなりつつあります」(鉄道・運輸機構)
なお、佐渡汽船もジェットフォイルの新造にあたり、鉄道・運輸機構の共有建造制度を活用するとのことですが、新型コロナの影響もあり契約などが遅れているとのこと。投入時期は未定だそうです。
【了】
伊勢遷宮が20年周期なのも技術継承のことを考えてそうしている側面があるようですし、水中翼船も今後そのくらいの間隔でブームが繰り返し来るといいなあって思います。
あまり長い時間つくらずにいるとロストテクノロジーになってしまうよ、と警鐘を鳴らす声が必要ですよね。
今回、技術継承に成功したら次の目標は「補助金に頼らずとも採算に乗せられるくらいの経済合理性を獲得する事」ではないでしょうか。価格競争力向上のための研究開発、是非ガンバって下さい。