戦艦「三笠」がモチーフ!? 戦前の「現役」消防署に潜入 高輪のシンボルになったワケ

東京都港区で、一見すると博物館のような消防署が現役で使われています。戦艦「三笠」をモチーフにしたというこの建物は、解体を免れ、昭和初期の「ドイツ表現主義」の意匠をいまに伝えています。

車庫には大戦前のボンネット消防車も展示

 昭和初期の意匠をいまに伝える二本榎出張所は、年間を通じ多数の見学者が来所するそうで、案内してくれた職員の方の話では、建物見学と合わせて火災予防などのPRの場として活用しているとのことでした。

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1階の車庫に並ぶニッサン180型消防ポンプ自動車(手前)と現役の消防車(2020年7月、柘植優介撮影)。

 しかし、東京都の歴史的建造物に選ばれているため、庁舎を補修したり改築したりする際に制約が多くあります。とはいえ手入れは行き届いており、また職員の方も案内に慣れているようでした。

 建物1階の車庫には、1945(昭和20)年から1964(昭和39)年まで実際に二本榎出張所、当時の高輪消防署で使われていたニッサン180型消防ポンプ自動車も展示されています。このレトロな消防車は、2013(平成25)年に行われた「高輪消防署開署80周年記念式典」に合わせ、新宿区四谷の消防博物館から里帰りしたものです。

 二本榎出張所の建物が解体されなかったことで、ニッサン180型消防車も展示されることになったといえるでしょう。レトロな消防署と消防車、そろって末永く保存されることを願うばかりです。

【了】

【写真】ひと昔前の消防署のシンボル「すべり棒」も残る歴史的建造物

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子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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