渋谷の「青ガエル」駅前から去る 東急5000系 トレーラーに載せられ秋田の大館へ

渋谷駅ハチ公前広場に置かれ、観光案内所として使われていた元東急5000系電車の「青ガエル」が、秋田県大館市の観光交流施設へ移送するため搬出作業が行われました。クレーンを使って車体を吊り上げ、トレーラーに積載されています。

「青ガエル」はブルーシートにくるまれて搬出

 東京の渋谷駅ハチ公前広場に置かれ、観光案内所として使われていた「青ガエル」こと元東急5000系電車の5001号車(デハ5001)が2020年8月3日(月)、秋田県大館市の観光交流施設「秋田犬の里」に移設するために搬出されました。

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ブルーシートにくるまれて、クレーンに吊り上げられる元東急5000系の5001号車(2020年8月3日、吉永陽一撮影)。

 東急の旧5000系電車は1954(昭和29)年にデビュー。丸みを帯びた下ぶくれの前面形状、緑色の塗装から「青ガエル」とも呼ばれ親しまれました。1986(昭和61)年に東急線から引退後は、車体の塗装を変更のうえ上田交通(現・上田電鉄)へ譲渡。1993(平成5)年まで使用されていた車両です。

 上田交通で廃車になった後は、東急に戻って「青ガエル」塗装に復元。東急車輛製造横浜製作所(現・総合車両製作所横浜事業所)で保存されていましたが、2006(平成18)年に東急の本社がある渋谷区に譲渡。車体を短くし、台車などが取り払われた姿で渋谷駅ハチ公前広場に設置されました。

 渋谷駅周辺では「100年に一度」ともされる大規模再開発が進行中で、渋谷区が所有する「青ガエル」の今後の活用について模索された結果、同区と「忠犬ハチ公」が縁の交流がある大館市へ移設することに。両市区の親交の象徴として活用を目指すことになったものです。

「青ガエル」の移設は当初、2020年5月から6月にかけて予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期されていました。

【了】

【写真】忠犬ハチ公も見守る「青ガエル」の搬出風景

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コメント

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3件のコメント

  1. 秋田県はゴミ捨て場ではない。
    そんな鉄屑を放置されても迷惑なだけ。

  2. ぶった切りにしないで東急車輛で保存してほしかった…

  3. 要は,東急も渋谷区も「要らない」から,大館市に押し付けたのね。あと10年したらスクラップだな。
    車体ぶった切り,台車も床下機器もなし。何がしたいのだか。