自衛隊F-15Jが大幅パワーアップ!? 「イーグル」戦闘機ファミリーの華麗なる転身とは
「20世紀最強の戦闘機」とも評されるアメリカ製のF-15「イーグル」。当初は空対空戦闘に秀でた戦闘機として開発されましたが、いまでは多用途戦闘機に生まれ変わっています。いったい何が影響して姿を変えたのでしょうか。
F-15「イーグル」のアップデートを促したF-16やF/A-18の台頭
F-15「イーグル」は、実戦でアメリカ空軍の要求に違わぬ結果を残しており、1979(昭和54)年のイスラエルとシリアの交戦を皮切りに、様々な戦いに投入されながらこれまでに100機以上の敵機を撃墜して、自機の損害はゼロという、過去の戦闘機に例のない高いキルレシオ(敵機の撃墜に対する被撃墜比率)を達成しています。
しかし高性能であるがゆえに価格が高かったことから、制空戦闘機として開発された初期型のF-15A/B/C/D型を導入したのは、日本、イスラエル、サウジアラビアの3か国のみにとどまりました。
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F-15「イーグル」の輸出が振るわなかったもうひとつの理由は、空対空戦闘だけでなく、高い対地攻撃能力や対艦攻撃能力も兼ね備えていた上、F-15に比べて価格も安いF-16やF/A-18のような、多用途戦闘機が世界市場で好まれたこともあります。
アメリカ空軍は1980年代に、F-15の複座型をベースにした多用途戦闘機型のF-15E「ストライクイーグル」を開発していましたが、強力な対地攻撃能力を持つなどの理由から、アメリカ政府は輸出に慎重な姿勢を示し、サウジアラビアとイスラエルへ輸出したF-15Eは、わざとアメリカ空軍仕様よりも能力を落としていました。
アメリカは1990年代後半になると、より高性能なF-22が登場したことなどから、一転してF-15Eの輸出に積極的になりましたが、依然として高価であり、また本国仕様より能力が落とされていることもあって、やはり輸出はふるいませんでした。
そこでアメリカ政府とボーイングは、韓国に提案するF-15Eベースの多用途戦闘機型F-15Kでは、あえて本国仕様のF-15Eよりも高い性能を与えることを決断します。
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