東京圏「ハイパー立体構造交差点」 狭い土地によくぞ造った! 地下~上空8層構造も
どーやって造ったの? 8層構造!
交差点を通過しているのは道路だけではありません。鉄道も含めれば、なんと8層構造という交差点もあります。東京都渋谷区の「初台交差点」で、「下」から次のような構成になっています。
●地下
・首都高C2中央環状線 本線(山手トンネル)
・京王新線 下り線
・京王新線 上り線
・国道20号(甲州街道)のアンダーパス
●地上
・国道20号と山手通りの平面交差(初台交差点)
●上空
・首都高4号新宿線 本線
・西新宿JCTのランプ(C2→4号線)
・西新宿JCTのランプ(4号線→C2)
地下のC2山手トンネルは上下線が同じ深さの位置に併走していますが、京王新線のトンネルは上下2層にわかれています。また、地下深くの首都高C2と、上空の4号線をつなぐ西新宿JCTは、JCTのランプ交差部がほぼ交差点内に収まるようコンパクトに配置されていることもあり、ランプには最小半径30mという首都高で最も急なカーブも存在します。
同様にC2と3号渋谷線をつなぐ大橋JCTは、近くに東急バスの車庫(その前身は東急の路面電車「玉電」の車庫)があったことから、この広い用地を得て、地下と地上を4層構造のループ線でつなぐ立体的なJCTを造り、C2と3号線の全方向で行き来を可能にしました。一方で西新宿JCTは、4号線の新宿方面とC2をつなぐランプがありません。これを造るには、上空へさらに2本のランプを渡す必要があり、初台交差点の範囲内に収めるのは相当に困難でしょう。
ちなみに、現在建設中の外環道「関越~東名」区間や、リニア中央新幹線などは、「大深度地下」と呼ばれる地下40mより深い場所を通ります。都市部のインフラは今後さらに立体的に造られていくことでしょう。
【了】
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