鉄道「レア車両」はなぜ生まれる? 1編成で製造打ち切り それぞれの理由
当面の間1編成だけで事足りた 次の置き換え時には新形式が登場
ダイヤ改正で列車本数が増えると、それに応じて必要な車両数も増えていきます。その際に1編成分の運用が増え、かつ以前の車両の製造から年月が経過していた場合、新形式の車両が1編成だけ製造されることがあります。
通常はその後、従来車両の老朽化などで車両の置き換えが必要になれば、第2編成、第3編成……と同形式の車両が増備されていきますが、車両の置き換えや増発までしばらく時間が開き、その期間にさらなる新技術が実用化された場合は、結果的に1編成だけの孤立した形式が生まれるケースがあります。
この例では営団地下鉄(現・東京メトロ)06系電車がそれにあたります。06系は、1993(平成5)年のダイヤ改正で千代田線の運用本数が1編成分増加することになり、製造された車両です。
もしこの後にも増発や旧型車両の置き換えがあれば、06系は量産されたかもしれません。しかし千代田線はしばらく車両増備の機会がなく、在来車両である6000系電車の置き換えが始まったのは2010(平成22)年のことでした。この時は新形式の16000系電車が製造されています。
似たような理由で1編成の製造にとどまったのが国鉄の207系電車900番台ですが、こちらはすでに量産が進んでいた203系電車を増備せず、あえて新技術を組み込んだ新形式を製造したケースです。上述したふたつのケースを理由として生まれた車両と言えます。
ほかにも車両の用途によっては、当初より1編成しか製造しないと決められていた形式も少なくありません。
3本の製造だったけど、東急2000系もなかなか不遇な生涯かと。
系列名も消され9020系とまるで9000系のオマケのように。
近鉄の1250系→1430系は2両ぽっちの試作車ながら、
30年以上経た現在もなお元気に走ってるな。
JR東海371系もかなりのレアケース。小田急との相互乗り入れのためだけにかなり意欲的な意匠で1編成だけ作られた。いまは富士急で余生を送っているらしい。もっとも、意欲的な内外装に反して床下は大部分211/213の使い回しだけれど