「廃線→バス専用道」から10年 鉄道よりよくなった? 茨城空港へ通じるBRT

茨城空港の近くに、鉄道の廃線跡を活用したバス専用道が存在します。鉄道を廃止してバス専用道に転換しようといった議論が全国で進むなか、その先駆となった事例で、開業から10年を迎えました。これにより地域はどう変わったのでしょうか。

鉄道より便利になったけど…

 バス専用道の整備が進められていた当時は、「茨城空港へのアクセスのため」とよく報じられていましたが、石岡市によると、「かしてつバス」のメインは高校生を中心とした朝夕の通学・通勤需要とのこと。そもそも専用道の整備は、鹿島鉄道の廃止後に運行を開始した代替バスが、国道355号の渋滞により定時性を確保できず、利用者離れが進んだことへの対策が大きな理由だったといいます。

「鉄道の廃線当時はおおむね1日1000人の利用がありましたが、定時性を確保できなくなった代替バスの利用者は、1日700人くらいまで下がってしまいました。公設民営方式としたのも、バスの走行環境を整えて事業者の負担を抑え、撤退リスクを軽減する目的がありました」(石岡市 都市計画課)

 専用道経由とすることで定時性を取り戻し、利用者を鉄道と同じ1日1000人レベルまで回復させたい思いがあったといいます。結果、鉄道のダイヤと同程度の速達性を確保しつつ、バス停数は専用道区間にあった駅数と比較しても倍に増加。近年の利用者数は、1日900人半ばで推移しているとのことです。

 一方、前出のように近年は鉄道のBRT化が議論されている地域もあります。鉄道がなくなりバスへ変化したことについて、住民はどう思っているのでしょうか。

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通常塗装の関鉄グリーンバス。茨城空港にて(2020年8月、中島洋平撮影)。

 石岡市によると、専用道経由になったことで、鉄道代替バスの運行当時と比べてよくなったと答えている人は、およそ8割に上るそうですが、「鉄道よりよくなったかどうか」という質問では、これが6割に下がるといいます。

 よくなったポイントとして、鉄道時代より運行本数も増え、定時性も確保され、渋滞を気にしなくなったことを挙げる人が多いといいます。それでも、「やはり鉄道には独特の愛着がありますし、路線図に載るなどの知名度としてもバス路線とは大きな違いがあります。鉄道もよかったよね、という愛着をお持ちの方が一定数いらっしゃるものと考えられます」(石岡市)とのことです。

【了】

【写真でサクっと見る】廃止前の鹿島鉄道/バス専用道化後

【特集】消えていく面影、今も走れる…鉄道の「廃線」どこにある?

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コメント

4件のコメント

  1. 鹿島鉄道 関東鉄道鹿島線。私は行きそびれましたが、BRTで活用されているのは良いです。

    鉄道ピクトリアル の 私鉄車両めぐり で見ていました。個性的な車両が沢山ありました。廃止されたことは残念に思っています。関東鉄道筑波線も廃止になりました。筑波山に行く入り口になっていました。

    私は全国の中小私鉄を小学生の時から巡っています。路面電車もです。

    茨城交通水浜線も良かったです。浜田車庫、終点の大洗は松林の中でした。初めてカラー写真を撮影しました。現在は66歳で仕事を引退しています。過去の鉄道を思い出して紀行文を書いています。古い写真もありますが、スキャナーがありませんので発表できないのが残念です。昭和30年代の鉄道はのんびりしていて良かったです。

  2. 廃止後でも鉄道に愛着がある理由のひとつとして考えられるのは、代替バスがフェイドアウトされてしまったり、通学定期券の差額補助が何年かで打ち切られたりするという不信感があるからでは。

  3. 鉄道時代も低速だったし石岡駅近辺の渋滞にBRTは有効なんだけれども、

    白棚線同様に専用道内の速度40km/h制限をもっと上げてほしいね。

  4.  鹿島鉄道の乗降人員は1300人/日程度でした。この値をおおむね1000人とするのは無理がありませんか

    ?。実際は70%が記事では90%に見えます。

     石岡市の説明だったのかも知れませんが簡単に裏の取れる数字です、杜撰ではありませんか?

     また、石岡駅~小川駅~鉾田駅間のかしてつバス(代替バス)の本数は減り続け、現在僅かに10本(土・休日7本)で、鉄道に比べBRT区間以外は大幅に利便性が損なわれています。

     『鹿島鉄道が今どうなっているのか』を語るのでしたら、絶対に落としてはならない点ではないでしょうか。

     石岡~小川駅までの全線の1/3限られた区間に11億円余を注ぎ込んだBRTが未だ鉄道の2/3の乗客数しか獲得できていない。これが現実です。

     BRTにしなければ上記の数字も獲得することは難しいのですからBRT自体には効能はあります。上下分離によりバス事業者の負担も鉄道と比べ大幅に低い訳ですが、それでもバス事業者は苦しみ、ダイヤ改正の度、減便の決断をせさせるを得ない状態です。

     鉄道なら乗るがバスなら乗らない。そういう層が一定(1/3)以上居たということではないでしょうか。

     また、定時性の向上したBRTでも輸送人員が戻らないのは、バスの時間の読めなさが未だに浸透しているため、即ちBRTをちゃんと使おいうという住民の理解の形成が進んでいない(広報不足)からではないでしょうか。

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