「尾瀬夜行で新潟、抜けられる…!」超秘境バスルート 東武が商品化 酷道険道 遊覧船も

私鉄としては日本唯一の夜行列車、東武の「尾瀬夜行」を活用し、路線バスなどを乗り継ぎ新潟へ抜ける尾瀬横断ルートが商品化されました。「酷道」「険道」そして遊覧船を経由する同ルート、東武の担当者も太鼓判の秘境ぶりです。

北欧のような風景 そして異次元空間の「険道」

 御池からバスで45分、奥只見ダム湖の「尾瀬口乗船場」に到着。バス停から階段を降りて「奥只見湖遊覧船」に乗り換え、一路、ダム湖を北上します。

 ダム湖とはいえ、両側から山々が迫る複雑な地形で、北欧のフィヨルド(氷河の侵食で形成された複雑な入り江)を思わせる風景だそう。湖の水をせき止めているダムの巨大な堤体に近い奥只見乗船場まで、40分の船旅です。ちなみにこの奥只見ダム、2000(平成12)年に映画化もされた真保裕一さんの小説『ホワイトアウト』の舞台でもあり、その内容を知っていれば、さらに楽しめるかもしれません。

 浦佐行きのバスは、ダムのレストハウスの駐車場から11時35分に発車します。このバスもまた、「酷道」352号に負けず劣らずの、県道ならぬ「険道」を走ります。

 ダムに通じる新潟県道50号の一部区間は「奥只見シルバーライン」といわれ、魚沼市上折立(かみおりたて)まで22kmのあいだに計18km、19か所ものトンネルが連続します。それぞれのトンネルは壁面にごつごつした岩肌が残り、断面も狭く、「異次元の空間を延々と走る宇宙船のような感じがする」(東武鉄道 担当者)のだとか。1950年代、奥只見ダムの建設用道路として3年の歳月をかけ完成し、新潟県に譲渡されて以降、一般車も走れるようになりました。

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奥只見シルバーライン。ここをバスが走る(画像:奥只見観光)。

 バスはシルバーラインを通過したのち、栃尾又温泉、大湯温泉などを経て、魚沼地域の市街地へ。奥只見ダムから80分で浦佐駅へ到着します。

 なお今回は、おもに午前に各方面から「尾瀬へ向かう」便、あるいはその折り返し便をつなぎましたが、午後、「尾瀬から帰る」便どうしをつないでの横断も可能。ただし一部は予約が必要で、浦佐から福島側へ抜けるなど、「尾瀬夜行」を利用しない場合の会津バスや奥只見湖遊覧船の予約は、魚沼市観光協会が一括して受け付けています。

 東武の夏の夜行列車は、1960年代には日光や赤城方面へ、日に10本もの夜行列車が設定されていたそうですが、近年は道路の整備やクルマの進化もあり、唯一となった「尾瀬夜行」も厳しい状況が続いているといいます。一方、マイカーで尾瀬の山々を上ろうと、駐車場所の争奪戦のような状況も見られるとのこと。今回のルートをツアー商品にした背景について東武の担当者は、周遊ルートの開拓、そして「マイカーにはない公共交通のよさ」をアピールする狙いがあるといいます。

【了】

★★秘境! バス&遊覧船「尾瀬横断ルート」写真でたっぷり★★

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