海外航空会社は「国内線」運航できる? 実はルールあります 「コードシェア」とも関係
日本に来ている海外の航空会社が日本で「国内線」を運航する――。物理的には近年まで見られたケースですが、実際にこれにはルールが存在します。そして利用者の「悩みのタネ」になり得る「コードシェア」もこれに密接に関係しています。
国内航空会社を守る「カボタージュ規制」というルール
国際線が多い空港でよく見られる海外の航空会社は、当然日本と海外を往来するものというのが、言わずとも知れたことです。ところで、海外の航空会社が日本の国内線を運航することは可能なのでしょうか。
結論から言ってしまうと、その実現は難しいといえるでしょう。実は日本では「国内線は国内の航空会社のみが運航できる」という取り決めが存在します。「カボタージュ規制」と呼ばれるもので、古くからルール付けされていました。
このカボタージュ規制が日本で始まったのは、1953(昭和28)年です。この取り決めが明文化されたのは1944(昭和19)年のシカゴ条約。ここでは、ICAO(国際民間航空機関)の設立など、現在に至る航空業界の枠組みを形作るような取り決めが多数締結されました。その後、これに日本も加わる形に。JAL(日本航空)が定期旅客便を運航開始したのは1951(昭和26)年。日本の航空業界において大半の時間がこの下に置かれていることになります。
もちろんカボタージュ規制の目的は、それぞれの国において自国の航空会社を保護するため。ヨーロッパでは1997(平成10)年、EU圏内でこれが完全撤廃されましたが、アメリカ、そしてアジアなどではいまだに根強く残っています。
しかし、たとえばアメリカのかつてのノースウエスト航空や、その後身となるデルタ航空が、関西~成田線を運航するなど、日本国内の路線を海外の航空会社が運航するケースが実在しました。
Jetstar Japan(カンタスとJAL等の出資)の成田・関空・中部便を「JAL国際線に乗り継いだ場合に限り、JAL便として予約できる(JALマイルが貯まる)」というのはその亜種なんですかね。