戦闘機につく「Fナンバー」 空自機でおなじみF-86とF-104のあいだにどんな飛行機が?

1950年代の無人戦闘機(実質ミサイル)にもFナンバー

 なかでも、どうして戦闘機扱いされたのかよくわからないのが、対空ミサイルであるF-98(AIM-4)とF-99(CIM-10)です。これらは「無人戦闘機」であるという理由だったとされます。しかしFナンバーが割り当てられていたころから「無人戦闘機」よりも普通に「ミサイル」と呼ばれており、さすがにこの解釈は無理があったのか、すぐに改名されてしまいます。

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F-89H「スコーピオン」。翼端のポッドに見えるのがF-98(AIM-4)「ファルコン」短射程空対空ミサイル(画像:アメリカ空軍)。

 ただF-98やF-99は、標的を捕捉し自律的に飛行し航空機を撃墜するための飛翔体ですから、いま風にいえば「自爆型ドローン」そのものです。無人戦闘機と見なせないこともありません。特にF-99は、見た目が現代の新型無人戦闘機と紹介してもほとんど違和感はありませんし、速度性能はマッハ2.8、航続距離約400km、弾頭は威力10キロトン(広島型の半分)の核弾頭であり、その衝撃波は数km内の敵爆撃機を破壊する能力がありましたから、数字だけを見ると恐るべき高性能無人戦闘機だったといえます。

 2020年現在、攻撃能力をもった無人機や自爆型ドローンは当たり前の存在になりましたが、いまのところは有人戦闘機と空中戦が可能な「無人戦闘機」といえるだけの機種はまだありません。しかしそれももはや時間の問題です。未来の無人戦闘機は再び栄光の「Fナンバー」を手にすることができるでしょうか。

【了】

【写真】どう見ても「V1飛行爆弾」な「爆撃機」

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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1件のコメント

  1. F-100に乗りました。機体には橙の字でTAMと書いてありました(当時)。座席は2-3列でした。私が乗り込んだのはグアルーリョス空港でしたが、同形機が離陸時にスラストリバーサーの誤動作で同じサンパウロのコンゴーニャス空港で墜ちています(同空港ではA320による別のじごもありましたが略)。対馬~釜山線の大韓のF28、中日本のF50などに躊躇しているうちに乗り損ねていたので満足です。