使い方を間違わなければ評価は変わった!? 駄作の烙印押された英「ビショップ」自走砲

第2次世界大戦中、各国では牽引式火砲の砲関連部分を戦車の車体に組み合わせ、短時間で自走砲を開発していました。イギリスも同様に自走砲を開発したものの、なぜか駄作の烙印。しかし、それは使い方が悪かったからかもしれません。

国産自走砲の射程はベース野砲の約半分 性能がそんなに低下したワケ

 そこでイギリスは、当時の主力牽引式火砲である25ポンド砲を、信頼性が高かった「ヴァレンタイン」歩兵戦車の車体に載せる形で、短時間で優秀な自走砲を開発することにしました。

 1941(昭和16)年6月、新型自走砲の開発がバーミンガム鉄道車両会社でスタート。試作車は1941年8月に完成し、ビショップ(Bishop)の愛称が付与されました。これは英語で「司教」を意味する単語で、由来は一説では本車の背の高い戦闘室を、司教が被るミトラ(司教冠)に見立てての命名ともいわれています。

 実用化を早めるために、戦車車体の改造を最低限にしたことで、搭載する25ポンド砲の可動範囲は最大仰角15度、最大俯角5度、左右旋回角8度と狭いものでした。特に仰角の制限は最大射程に悪影響をおよぼし、ベースとなった牽引式25ポンド砲が約1万2000mだったのに比べて、「ビショップ」では約半分の6000mほどしかありませんでした。

 また、弾薬の搭載数は32発と少なめで、野砲として連続射撃を行う場合には、牽引式25ポンド砲用の弾薬車を曳くこともありました。

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1942年11月、北アフリカの戦いに参加中のイギリス陸軍の「ビショップ」自走砲(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 しかし射程や射角の制限以外は問題になるところがなかったため、大きな改良などされぬまま「ビショップ」自走砲は陸軍に採用され、1942(昭和17)年10月23日から始まった第2次エル・アラメイン戦で初陣を迎えます。

 ところが、この戦いで「ビショップ」自走砲は早々に不評を買ってしまいます。配備された野砲連隊は牽引式25ポンド砲と同じく、本車をおもに間接砲撃に用いたのですが、ここで射程が短いことが問題となったのです。そのため、その後は盛り土で斜面を造り、そこに本車をのし上げて仰角を稼ぎ、射距離を延ばすという苦肉の策も講じられました。

【写真】狭っ! 「ビショップ」自走砲の内部

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