使い方を間違わなければ評価は変わった!? 駄作の烙印押された英「ビショップ」自走砲

第2次世界大戦中、各国では牽引式火砲の砲関連部分を戦車の車体に組み合わせ、短時間で自走砲を開発していました。イギリスも同様に自走砲を開発したものの、なぜか駄作の烙印。しかし、それは使い方が悪かったからかもしれません。

見方を変えれば「ビショップ」の射程不足も欠点にならず

 たしかにビショップは、間接砲撃を行う野砲としては欠点だらけでした。しかし一方で、間接砲撃ではなく直接照準射撃、すなわち水平射撃であれば問題ありません。要は、歩兵を至近から援護する、いわゆる「歩兵砲」や「対戦車砲」のように使えば、この時期には決して「使えない車両」ではなかったのです。

 当時、ドイツ軍戦車の装甲は逐次厚くなっており、イギリス軍戦車の搭載砲や歩兵随伴の対戦車砲として多用されていた2ポンド砲では、手に負えなくなりつつありました。このような状況だったため、新しい6ポンド砲が配備されるまでの間繋ぎとして、イギリス陸軍は25ポンド砲による直射で対抗していました。

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ビショップ自走砲を開発する際に搭載された牽引式25ポンド砲(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 しかし牽引式25ポンド砲は、直射がメインの一般的な歩兵砲や対戦車砲とは異なり、間接照準射撃が主体の野砲なので、牽引姿勢から射撃姿勢への転換、すなわち布陣に時間がかかる構造でした。そのうえ使用する弾薬も、装填作業が1アクションで済む砲弾と薬莢(やっきょう)が一体化した固定弾ではなく、装填が2アクションかかる砲弾と薬莢を別々に装填する半固定弾でした。そのため発射速度もやや遅かったのです。

 しかし、これら25ポンド砲の弱点も、自走化すれば克服できます。牽引姿勢から射撃姿勢への変換は自走砲であれば必要ありません。さらに薄いとはいっても装甲板で覆われた戦闘室の採用で、牽引式の対戦車砲や歩兵砲のように砲員が敵の榴弾射撃で殺傷される危険性が軽減され、しかも装甲のおかげで砲員がやや安心して操砲できるようになったため、発射速度が遅い点もある程度カバーできました。そのうえ直射であれば、見えない敵を撃つわけではないので、牽引式に比べて射距離が短いことも大きな問題とはなりません。

【写真】狭っ! 「ビショップ」自走砲の内部

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