「赤いクルマ」人気減速のナゼ 勢い「一段落した感」 青に押される背景
クルマのボディカラーは白、黒、グレー、シルバーの無彩色が多くを占めますが、有彩色では定番だった赤が青に押されています。背景には技術面の変化もあるようです。
マツダも別色を展開 「Z」は黄色 コロナでどう変わる?
マツダは、オプショナル価格の「匠塗」シリーズとしてソウルレッドに加え、2016年から「マシーングレープレミアムメタリック」を展開、さらに2019年発表の「マツダ3」からは、車種発表会などで「ポリメタルグレーメタリック」も打ち出しています。
またスポーツカーでは特に定番といえる赤ですが、たとえば2020年9月に発表された日産の新型「フェアレディZ」プロトタイプでは、黄色が打ち出されました。
松原さんによると、全般的に赤いクルマが増加したことで、イメージカラーに設定してもあまり目立たず、あえてあまり見かけない色をイメージカラーにして特別感を表現する傾向もあるとのこと。また、赤よりも個性が強い黄色などは、これまで敬遠されがちだったものの、最近はユーザーが自分らしさや好みを反映させたものを求める傾向があり、新しい価値観を持つユーザーに受け入れられていくのではないかといいます。
こうした傾向は、新型コロナウイルスの影響で変化するのでしょうか。松原さんは、新型コロナが世界中の人々の生活を変え、価値観に影響を及ぼしているといいます。
「新型コロナは、人間が生きる上で必要な生理的欲求や安全欲求まで脅かしています。こういった状況下では、一般的に人々は保守的になり、安心できる色、目立ちすぎない色、心地よい色など、少し落ち着いた印象の色を求める傾向があります。一方で、低迷する時代には、不安や閉塞感を払拭し、前向きになりたいという反動も現れてきます」(BASFジャパン 松原さん)
実際にコロナ禍でも、自分らしい生活を楽しもうとする人々も多く見られ、総体的には前向きなムードであると感じているとのこと。そうしたなかで赤は、所有する満足度を高め、愛着をもって乗れるクルマとして、日常に彩りを添えてくれるといいます。「そういった意味で、『クルマくらいは明るく華やかにしたい』と思うユーザーに、赤は好まれるかもしれません」と話します。
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