東名を「箱根ターンパイクで迂回」アリなのか 遠回りかつ有料 NEXCOが推すワケ
東名高速の集中工事にともない、箱根ターンパイクを経由する迂回ルートについて、NEXCOがキャンペーンを行っています。いわば「迂回の迂回」、かつ観光色の強い有料道路を経由するものですが、メリットはあるのでしょうか。
東名→箱根ターンパイク迂回でキャンペーン
NEXCO中日本が東名高速のリニューアル工事期間中にあたる2020年9月から12月まで、「箱根ターンパイク ルートチェンジキャンペーン」なるものを行っています。長期の交通規制により渋滞が予想されるリニューアル工事区間を避け、箱根ターンパイク(アネスト岩田ターンパイク箱根)への迂回を促す目的です。
キャンペーンの内容は、東名下り線のリニューアル工事が行われる大井松田IC~御殿場JCT~清水JCT間を避け、厚木ICから小田原厚木道路、箱根ターンパイク、国道1号、伊豆縦貫道(無料)を経由して長泉沼津ICから新東名を利用すると、新東名および東名の対象SA・PAでゲームに参加でき、抽選でクオカードがもらえる、というものです。
東名の大井松田~御殿場間は箱根の外輪山を北へ回り込んでおり、その迂回のために、箱根を貫く箱根新道(国道1号、無料)を経由するルートが知られています。箱根ターンパイクは、その箱根新道の南側に並行する道路で、いわば「迂回路の迂回路」という形になります。
しかも箱根ターンパイクは観光色の強い独立した有料道路であり、クルマやバイク好きのオフ会にも使われるような山中のワインディングロードです。なお営業時間は朝5時30分から22時30分まで(最終入場は22時)となっているため、夜間は東名の迂回ルートとしても機能しません。
東名の迂回ルートとしての箱根ターンパイクというのは、あまりピンとこない人もいるかもしれませんが、2020年10月現在、NEXCO中日本はこのルートの利用をテレビCMなどでも紹介しています。果たして“アリ”なのでしょうか。
厚木~長泉沼津だけ走行の場合の料金は上記の通りですが、
一定以上の長距離の途中で迂回する場合の料金は、
長距離逓減が効かなくなり、料金調整で同額(料金調整がなければ割高)になります。
上記料金調整の対象に、箱根ターンパイクが入っていないようなので
このキャンペーンは、同道路通行料の持ち出し分に対してのものではないでしょうか?
東名迂回路としては オススメしない です。
理由はいくつかありますが、まずは標高差が厳しいことです。
海抜10m程の小田原市早川から海抜約1000mの大観山まで14kmで駆け上がる(登坂区間はそれより短いのでさらに急坂)山岳道路。かつバイクや自動車愛好家も多く、流れも速めで不馴れなドライバーには難易度が高目です。
さらに、サミットが東名、国道246号は450m、箱根峠で850mで大観山は1000m。商用車には不向きかと思います。
また推奨ルートは静岡県側は国道1号線に戻りますが、結局箱根新道と交わるルートです。
ならば、圏央道から静岡県中西部へは中央道河口湖から国道139号富士宮道路へ回し、静岡県東部には東富士五湖道路から御殿場IC、足柄SICで東名から新東名、もしくは箱根新道へ、そして中伊豆方面には箱根新道もしくはターンパイクと分散させたいところです。
ただ私は平日中伊豆方面に行くなら真鶴道路から熱函道路、伊豆中央道に乗り継いだ方が曲線勾配が緩く乗り心地が良いと思います。
もちろん休日で箱根山中や真鶴道路渋滞の迂回路として伊豆スカイライン~箱根ターンパイクは強い味方ですが、車に弱い方が同乗するときは要注意です。
新東名秦野〜新御殿場が開通していたらこんなことにはならなかったが延期の延期で…