「スペースジェット」は何だったのか かつて実用化の国産旅客機「YS-11」との違いは?

三菱「スペースジェット」の本格的な開発が実質上ほぼ一時凍結され、久しぶりの「国産旅客機」の実用化はしばらくお預けとなりました。かつて日本では「YS-11」が実用化に成功していますが、その違いはどこにあったのでしょうか。

「スペースジェット」今どうなってるの?

 とはいえ、かつてのYS-11も、実際に飛ばしてみると横安定性が不足して急遽上反角を大きくしたり、ターボプロップ・エンジンの交流で昇降陀(エレベーター)の利きが悪くなり水平尾翼の改修を加えたり、実は運航してからも雨漏りで苦労したり……という話も。「工業製品あるある」ともいえますが、新たな製品は、基準をクリアしてもまだトラブルがあり、それを克服して、はじめて安定性の高いものにつながるともいえるでしょう。

 ただ、筆者(種山雅夫:元航空科学博物館展示部長 学芸員)がYS-11初飛行50周年の講演会に参加したとき、YS-11開発のノウハウを次の機体に生かせなかったのは、もったいないという意見を聞いたことがあったりもします。

 現在、渦中の「MSJ」はどうなっているのでしょう。2020年夏ごろ、「MSJ」の格納庫がある小牧空港を訪問した際、「Spacejet」と書かれた大きな格納庫にはすでに機体の部品は置いていないようでした。ゼロから航空機を開発する大変さがわかるエピソードといえるでしょう。

【了】

【写真】リージョナルジェットの走り&小牧の「格納庫」のいま

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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  1. 国土交通省航空局は「JCAB」です。

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