「夜専門のはずですよね?」米空母「エンタープライズ」の悲喜劇 艦内24hコンビニ状態に

太平洋戦争中、アメリカ軍は昼夜問わず襲来する日本軍機の攻撃に悩まされます。解決策として同海軍は、レーダー装備の艦上夜間戦闘機を運用する専任空母を決めたものの、それが逆に乗組員の負担を増やす結果になってしまったようです。

夜間専任空母の誕生とワンオペ化の始まり

 アメリカ海軍が開発した艦上夜間戦闘機は、具体的には空母搭載のヴォートF4U「コルセア」戦闘機や、グラマンF6F「ヘルキャット」戦闘機のレーダー搭載型です。これらは当初、いくつかの空母に分遣隊として数機ずつ分散派遣する形を採っていたものの、やがて日本軍機の夜間飛来が増加したこともあり、少数ずつの分散搭載では迎撃任務が追い付かなくなりました。

 そこで夜間戦闘機を集中配備し、夜間戦闘を主任務にする専門の空母航空群が計画されるようになり、1944(昭和19)年夏に軽空母「インディペンデンス」が、搭載機のほとんどを夜間戦闘機にして世界初となる夜間戦闘専門の空母になりました。

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アメリカ海軍が実用化したレーダー搭載の艦上夜間戦闘機F6F-5N。右主翼端にある大きなふくらみがレーダードーム(画像:アメリカ海軍)。

 しかし、まるまる1隻の空母を夜間迎撃専門にしてみると、いくつかの問題点が浮上します。まず、軽空母では小さすぎて各種運用に制限が生じる点。そして、夜間戦闘は増えたとはいっても、昼間戦闘と比べればまだまだ少ないため、昼間任務にも応援として用いたいという要望が上がった点です。

 これらの問題を解決するには、軽空母ではなく大型の艦隊空母、いわゆる正規空母を夜間空母に転用し、それにより機数の多い編成にした夜間空母航空群を載せればよいのではないかということになりました。

 結果、白羽の矢が立ったのが、大戦勃発前に建造され、開戦から一貫して正規空母として運用されていた「エンタープライズ」と「サラトガ」でした。この2隻は大戦後半になると、続々と就役する新型のエセックス級空母などと比べて旧式化しつつあったからです。結果、2隻は1944(昭和19)年12月に夜間空母航空群を載せた夜間空母となったのです。

 しかし、1945年2月に「サラトガ」が大破して修理のためにアメリカ本土に回航されると、太平洋戦域で夜間空母と呼べるのは「エンタープライズ」ただ1隻になってしまいました。

【写真】危ないっ!空母着艦に失敗し火を噴いたF6F戦闘機

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