関西の鉄道「どんどん増える停車駅」事情 熾烈なライバル競争にも時代の変化?

新快速に「敗北」? ノンストップをあきらめた「ライバルたち」

 当初は最低限の停車駅で都市間の速達性を保っていた私鉄の優等列車も、次第に停車駅を増やしていきます。

阪急京都線・特急

 京阪神輸送におけるJRのライバルのひとつ阪急は、最速達列車である特急が「京阪間ノンストップ運転」で対抗していました。当初の停車駅は、梅田を出ると十三、大宮、烏丸のみ。

 しかし、1997(平成9)年に高槻市が終日停車になったあと、2001(平成13)年に茨木市、長岡天神、桂の3駅、2007(平成19)年には淡路が追加。今や、かつての「急行」と同程度の停車駅となっています。

 停車駅が増加した背景には、新快速の時速130km運転により、京阪間の速達性でもはや対抗できなくなったため、ベッドタウンとなる中小都市を中心とした地域需要の利便性に軸足を移していったことが考えられます。

京阪本線・特急

 同じく京阪間で、JR・阪急と熾烈な利用客獲得競争を繰り広げていた京阪。1971(昭和46)年にデビューした初代3000系は、「全座席クロスシート」「テレビ・公衆電話設置」という豪華設備。1995(平成7)年には2階建て車両も導入され、無料特急としては破格の車内サービスで対抗していました。

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車内にテレビを搭載した京阪「テレビカー」。料金不要の特急としては異例の装備(2012年4月、恵 知仁撮影)。

 日中の京阪特急は長らく、大阪・京都それぞれの玄関口である京橋~七条間がノンストップでした。

 背景として、阪急京都線やJR京都線が高速運転に適した線形だったのに対し、京阪は一部区間で路面電車を発祥とする背景もあり、カーブが多く不利だったことが挙げられます。そのため、ノンストップ運転によって少しでも京阪間の移動時間を短縮しようとしたのです。

 2000年(平成12)年に中書島、丹波橋の2駅が特急の終日停車駅となり、京阪間ノンストップ運転は終わりを迎えました。さらに2003(平成15)年には枚方市、樟葉の2駅も追加。現在に至ります。

 停車駅の増加の背景は先述の阪急京都線と同じく、京阪間輸送から地域輸送へのシフトでしょう。

 こうしていったん姿を消したノンストップ特急ですが、2011(平成23)年、快速特急「洛楽」がデビュー。往時の特急と同じ「京橋~七条間ノンストップ運転」が復活します。当初は臨時列車の扱いでしたが、2017年からは毎日運行となりました。

【時刻表】飛ばす飛ばす! 1973年当時の新快速

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コメント

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3件のコメント

  1. 阪急京都線や京阪の特急の停車駅増加と新快速の所要時間短縮には確かに相関関係があるのですか?運賃もありましょうが発駅と着駅の立地が利用者に便利ならそちらを選ぶ傾向にあるのではないですか。JRの京阪神の枠にとどまらないネットワークは強いですね。阪神~山陽電車の直通特急もありますがどうなのでしょう。

  2. なぜ今さら?
    ミナクサ停車ですら来年で10年だってのに。

  3. 所々間違った記載がありますね。
    初代の阪急宝塚線特急の停車駅に豊中とありますが、豊中には停車していません。

    十三、石橋、川西能勢口の途中3駅だけでした。