日本航空史「陰の立役者」日野熊蔵って誰? “日本初”になりきれなかったパイロットとは

日本初の飛行機の公式飛行から110年が経ちましたが、ここで「グラーデ式飛行機」のパイロットを担当したのが、日野熊蔵氏です。どのような人物だったのでしょうか。斬新なアイデアマンだった同氏が飛ぶまでの航跡を追います。

初飛行後の日野熊蔵氏は?

 こうして12月19日、日本における2機揃った飛行機の公式飛行が初めて成功します。その後、日野熊蔵氏は、職人的な言行から、組織として活動しなければならない軍隊という組織になじめず、旧日本陸軍の航空分野から遠ざかり、何機か自前で飛行機を作るものの、いずれも空を飛ぶまでには至りませんでした。初飛行については諸説が飛び交うところではあるものの、同氏が日本の航空界をけん引した一人であることは自明でしょう。

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日野熊蔵氏の銅像は徳川好敏氏と並んで展示されている(柘植優介撮影)。

 ちなみに日野氏の地元人吉市には、現在は閉鎖されているものの、宝古蔵という人吉市の歴史遺産を顕彰する個人運営の資料館がありました。そこで地元の方たちと交流した際に感じたのが、皆さん、日野熊蔵氏を敬愛してやまない点です。ちなみに、「日野熊蔵伝」を記した著者も人吉市在住です。

 2010(平成22)年には初飛行100周年を記念して、地元で様々なイベントが開催され、「空の開拓者・日野熊蔵伝」というTVドラマも制作、放映されています。職人・日野熊蔵氏がそれだけ歴史に強烈な航跡を描いた人物といえるでしょう。

【了】

日野熊蔵氏が操縦したグラーデ式飛行機

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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