「やられたらやりかえす!」強すぎソ連戦車に倍返ししたドイツの間に合わせ兵器とは

「タイガー」「キングタイガー」「パンター」など名だたる戦車をいくつも開発したドイツは、戦車大国のイメージが強いかもしれませんが、第2次大戦では強力なソ連戦車に悩まされたことも。それを救ったのは急ごしらえの対戦車車両でした。

強敵ソ連戦車を倒すためにソ連の大砲を使っちゃえ!

 それは、独ソ戦の緒戦で大量に鹵獲(ろかく)したソ連製の76mm野砲M1936F-22を再使用するというものでした。

Large 20210102 01
ぶ厚い装甲でドイツ戦車およびドイツ対戦車砲の強敵となったソ連のKV重戦車(柘植優介撮影)。

 この砲は、野砲ながら高初速で装甲貫徹力に優れているのが特徴でした。そのような“優秀”な砲を1200門以上も鹵獲したため、ドイツ軍は「7.62cmFK296(r)」という型式番号を付与して自軍装備に編入、そのまま使用したのです。

 ちなみに、番号の末尾に付けられた(r)は、ソ連(ロシア)からの鹵獲兵器であることを示しています。しかも、次世代対戦車砲(戦車砲)として開発された国産の7.5cm砲PaK40が配備されるまでのつなぎとして、この7.62cmFK296(r)に、野砲から対戦車砲へと「変身」させるための改造まで加えました。

 原型のF-22では、砲の左右両側に操作ハンドルが分かれていたため、照準手(射手)と操砲手のふたりで操作する必要があります。しかしこれだと対戦車戦闘時、動く敵戦車を砲手ひとりで狙い続けることが難しい構造でした。そこで、左側の砲手席で全ての操作ができるようにドイツ軍は改造したのです。

 加えて、砲と一緒に鹵獲したソ連製の砲弾がなくなっても使い続けられ、なおかつ威力の一層の向上を図るべく、自国製の7.5cm砲弾を撃てるように薬室を改造。照準器も精度の高い自国製のもの、前出の7.5cm砲PaK40と同じものを装着しました。

 こうして、ソ連生まれの76mm野砲M1936F-22は、ドイツ軍の7.62cm対戦車砲PaK36(r)として生まれ変わり、ソ連戦車に対して牙をむくこととなったのです。

【写真】ドイツ最強の対戦車砲「マルダーIII」のベース チェコ製38(t)戦車

最新記事

コメント

3件のコメント

  1. 最近では実用性能では自動車の冷間のハイテン成形プレス技術でGPa越えが相次いで報告されていますね。翻って考えてみるとやはり、プロテリアル

    (旧日立金属)製のマルテンサイト鋼の頂点に君臨する高性能冷間ダイス鋼(特殊鋼)SLD-MAGICの登場がその突破口になった感じがしますね。今で

    はよく聞く人工知能技術(AI:ニューラルネットワーク)を使ったCAE合金設計を行い、熱力学的状態図解析によって自己潤滑性を付与したことが功を

    奏した話は業界で特に名古屋では有名ですからね。軸受、歯車、圧延ロール、減速機、摺動機械部品の基本的な摩擦係数にかかわるはなしがこうだか

    らCAE技術もさらなる可能性に満ち溢れているということでしょうね。タコツボ組織化しがちなトライボロジー研究でボールオンディスクを横串力と

    するCCSCモデルという提案も素晴らしいものでした。

  2. 日立Lumadaの開発者でもあるのか?

  3. これが世にいうドクターDXのアルゴリズム革命ですね。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス