ANA「紙の時刻表」なぜ今やめる? その理由とは フクザツな胸中も 担当者に聞くウラ話
コロナとの関係は? 実はあった葛藤や苦労
――オンライン時刻表の立ち上げに、新型コロナウイルス感染拡大などの影響はあったのでしょうか?
木下さん:先ほどもお話しましたが、時刻表をオンライン化させるというプロジェクトは、新型コロナがきっかけではありません。ただ、新型コロナの感染拡大につれて、結果的には、衛生面の観点から冊子型よりはオンラインの方が接触回避につながる……といったメリットも出てきました。
近藤さん:冊子時刻表からオンライン時刻表への移行を決断しましたが、このコロナ禍で、オンライン化の流れはより加速していると実感しています。
――時刻表をオンライン化させるときの苦労などはありましたか?
木下さん:このオンライン時刻表は多言語対応しているのですが、外国語は、文字数が多くなり長くなってしまうなど、実際にオンライン化をするには、小さなことから大きいことまで数多くの調整も必要になります。また、ウェブでの「空席照会」などと差別化しながら、多様なニーズに応えるようにしなければなりませんでした。
近藤さん:お客様にとって利便性の高い時刻表にするためにデザインなど情報の見せ方を考えるなかで、冊子時刻表に慣れ親しんだ部分もあって、新たな視点で考えてみるという、切り替えは少し苦労しました。
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なお、インタビューに答えてくれた2人によると、オンライン時刻表では「実は、印刷して持ち運びすることも前提に、その機能をつけたうえで、レイアウトもきれいに収まるようデザインしています」と、“紙派”へのケアもされているといいます。
【了】
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