旅客機の「尻もち」なぜ発生? リスクある「前輪式」 それでも採用し続ける理由とは

旅客機の降着装置は、胴体後部に車輪のない「前輪式」のものを採用しているのが一般的です。このレイアウトは離着陸時、とある条件下では、「尻もち」を起こしやすいというデメリットも。それでも採用される歴史や背景を見ていきます。

「尾輪式」のメリット でもなぜ「前輪式」に?

「尾輪式」降着装置の最も大きな利点は、主脚以外のランディング・ギアを軽量化できる点にあります。航空機は空を飛ぶため、軽量化は最大の課題であり、不要なものは極力なくした方が、効率よく空中に浮かび上がれます。

 草創期の旅客機でいえば、DC-3などのようにプロペラの回転力で飛行するモデルの場合、プロペラ径が大きい方が、より推進力が高まるメリットがあるものの、あまり大きすぎると、今度は地面に接地してしまう恐れが生じ、それを防ぐためには降着装置を長くするしかありません。その点、尾輪式であれば、前脚式と違って地上滑走時などではプロペラが上向きになるため、前脚式よりも足を短くすることができ、かつ離着陸時にプロペラが地面に接触する危険性を低減できるメリットがあるのです。

 とはいえ、このスタイルは、地上走行時には進行方向が見にくいという欠点があります。また駐機時も、床が斜面になるため、旅客が乗るにも、荷物を載せるにもあまり都合がよくないというデメリットもあります。

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尾輪式の降着装置を採用しているダグラスDC-3(恵 知仁撮影)。

 現代の旅客機で一般的な、機体の前方に車輪付きの脚を装備した「前輪式の飛行機」は、1930年あたりから実用化されたと記録されていますが、最初は脚を降ろしたまま飛行する「固定脚」でした。飛行機が、より速く、より高く、より重く、より遠くへと発展する過程で、空気抵抗を減らすために、降着装置が引き込み式に発展すると、前輪式の利点が大きくなってきました。

 前輪式であれば、機体の姿勢が最初から水平であるため、乗り降りのしやすさが向上することはもちろん、離陸時の前方視界もよくなり、機首をあげるタイミングが尾輪式より容易につかめます。これは極論ですが、水平姿勢から十分な速度を得ることができれば、機体に迎角を与える(機首をあげる)操作をしなくても空中に浮き上がることさえ可能です。

 ほかにも、重心位置が主脚の前にあるので、万が一着陸時にブレーキをかけすぎても、前脚が折れない限り、その減速の衝撃を受け止めてくれるために、前につんのめってしまうこともありません。加えて地上走行時の操作性も、尾輪式と比較して前輪式の方が優れています。また前輪式の方が前方視界を広く採れるため、パイロットが離着陸時に直進を維持しやすく、それでいて死角が少ないことから、万一の際も停止しやすいのです。

【写真】万が一の際のフォローアイテム「テールスキッド」

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コメント

3件のコメント

  1. JAL123便のときには、修理が完全でないというよりも、もともと過去に尻餅つかれていなければあんなことにならなかった、という意見をよく目にしますね。

  2. 重心位置に対して主輪が後ろにある前輪式のほうが設計的にはよいのでは?

    重心位置が抵抗となる主輪の後方にある尾輪式は左右主輪の転がり抵抗に僅かでもアンバランスが生じると

    簡単にスピンしますよね。小型機ならまだしも大型機にとっては致命的です。

  3. 尾輪式の方が前輪式より何倍も危険です。

    尾輪式は3輪が接地していると正面がぼほ見えないので、タキシング中は蛇行運転せざるを得ない。

    滑走中に急ブレーキを踏むと前転してプロペラを打つかもしくは容易に横転する。

    後ろの車輪は着陸最後まで付かないから直進が安定せず、横風に滅法弱い。

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