旅客機の「尻もち」なぜ発生? リスクある「前輪式」 それでも採用し続ける理由とは

旅客機の降着装置は、胴体後部に車輪のない「前輪式」のものを採用しているのが一般的です。このレイアウトは離着陸時、とある条件下では、「尻もち」を起こしやすいというデメリットも。それでも採用される歴史や背景を見ていきます。

いいことばかりとは限らない?「前輪式」のデメリットとは

 このように前輪式のレイアウトはメリットが多いのですが、注意しなければならないポイントもあります。それは、離着陸時には機首を上げているために、たとえば風向や風速が急激に変化した場合は、適切な機首の上げ下げや方向制御が不可欠となることです。

 尾輪式の場合であれば、万が一機体後部から着陸しても機体後部の車輪が受け止めてくれますが、前輪式では迎角をとり過ぎると機体の尾部をすってしまいます。それを防ぐには、空気抵抗の観点からいえば胴体断面の円の大きさを絞っていけばよいのですが、それをしすぎると客席のキャパシティと両立しません。そのため、大型機ほど垂直尾翼のあたりの線は直線的で、下部が上に絞られている設計が多いです。これは離着陸時に機首を上げることから尾部が滑走路面を擦らないようにする工夫ですが、ある意味で機内容積と尾部のアウトラインの両立を図った苦労の跡とも言えるでしょう。

 現代の旅客機では、一部のモデルで、万が一「尻もち」してしまった際にも機体の破損を最小限にする工夫も備わっています。たとえばボーイング777の機体延長タイプである777-300などでは、機体後部の下部をよく見ると三角の出っ張りが見えます。また、ボーイング767やコンコルドでは後部に、引き込み式の板を装備しています。これらは万が一「しりもち」を起こしても大丈夫なように取り付けられている、いわば「緩衝材」といえるもので、まずはこの金具が受け止めてくれることとなります。「テールスキッド」と呼ばれるこの装置の起源は、アメリカの爆撃機「B-29」になりそうです。

【写真】万が一の際のフォローアイテム「テールスキッド」

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コメント

3件のコメント

  1. JAL123便のときには、修理が完全でないというよりも、もともと過去に尻餅つかれていなければあんなことにならなかった、という意見をよく目にしますね。

  2. 重心位置に対して主輪が後ろにある前輪式のほうが設計的にはよいのでは?

    重心位置が抵抗となる主輪の後方にある尾輪式は左右主輪の転がり抵抗に僅かでもアンバランスが生じると

    簡単にスピンしますよね。小型機ならまだしも大型機にとっては致命的です。

  3. 尾輪式の方が前輪式より何倍も危険です。

    尾輪式は3輪が接地していると正面がぼほ見えないので、タキシング中は蛇行運転せざるを得ない。

    滑走中に急ブレーキを踏むと前転してプロペラを打つかもしくは容易に横転する。

    後ろの車輪は着陸最後まで付かないから直進が安定せず、横風に滅法弱い。

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