「緊急着陸」でも1時間弱飛び続ける旅客機なぜ出現? 離陸と着陸で異なる「重量」の影響
緊急着陸もすぐ降りられないのは、安全優先の「重量のズレ」が一因?
このように、重量の定義が多岐にわたって設定されている理由は、自家用車と同じように、航空機が燃料を給油しなければ移動できない乗りものだから、ということ以外に、特に空中へ安全に浮かび上がるために重量が非常に重要視されている乗りものだというのもあります。
これゆえ、特に最大離陸重量近い重さで離陸したシップ(機体)が、トラブルを起こして緊急事態……となった場合、すぐに降りられるわけではなく、およそ30分から1時間程度上空で飛び続ける必要があります。これは、パイロットが緊急着陸のための準備に時間を要するということもありますが、ほかにもとくに長距離便では、機体を軽くするため、燃料を投棄しなければならないからです。
これは万が一の場合、燃料が漏れないようにといったことを始め、軽い方が接地後フルブレーキで止まれる滑走距離が短くなることや、滑走路の強度などの課題をクリアするためです。
なお、燃料を捨てるには6000フィート(約2000m)以上の高度で……というのが国際的に一般化されたルールです。これは、ある程度の高さがあれば空中で燃料は霧状となり拡散されるため、地上への影響が最小限で済むからといった理由でしょう。これにくわえ、地上に民家などがある場合には、洋上で投棄しなければなりません。また、国によっては、燃料投棄をするエリアが定められているところもあります。
ちなみに、昨今ときたま話題となっている「宇宙デブリ」は、地球の重力が小さい高度にあって、速度を持っているため遠心力と釣り合って落ちてこないそうです。人工衛星も同じようなメカニズムです。
【了】
※誤字を修正しました(2月11日9時35分)。
燃料投機じゃなくて投棄ね。
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
題 : 誤字を訂正して下さい。
誤 : 燃料投機
正 : 燃料投棄
内容は間違っていないと思いますが、
御社と筆者の 今後のためにも 訂正して 再出掲して頂きたいです。
ご指摘ありがとうございます。修正しました。