時刻表に見る「昭和の高速バス」 30年でダイヤどう変わった? 当時のままの路線も

当時の最終は19時頃 いまや24~25時

 路線の構成と並んで興味深いのが、各路線の運行ダイヤです。「復刻版」と比べると、今日では運行便数が大幅に増加している路線が目立ちます(以下、「現在」といった場合、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前のダイヤを指す)。

 現在では17往復まで増加した池袋~新潟は当時わずか6往復。合計で33往復ある新宿~駒ケ根市・飯田は当時22往復。東京~いわき、新宿~松本、福岡~宮崎といった「ドル箱」路線は未開業で、この年と翌年に、次々と開業しています。

 また便数だけではなく、運行時間帯も拡大しています。「復刻版」では、上り方面も下り方面も、朝の始発が7~8時台、夜の最終便は19時前後というケースが目立ちます。

 現在では、地方から大都市に向かう始発時刻は大幅に早くなり、大都市からの最終便は遅くなっています。福島県や長野県では、東京方面への始発が早朝4時台、東京から最終便が到着するのが24~25時台というのが一般的になっています。

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長野の松本バスターミナルは朝4時台からオープン。ただし4時20分の新宿行き始発便は2021年現在、新型コロナの影響で運休している。2019年(成定竜一撮影)。

 当時は、路線新設に際し、共同運行会社どうしで公平なダイヤになるよう配慮したのでしょう。一方で、実際に運行してみると、利用の多くが「地方の人の都市への足」だということがわかりました。地方部でさらに自家用車が普及し、クルマと高速バスとを乗り換えるパーク&ライドが定着すると、バスターミナルへのアクセスに制約を受けることも少なくなくなりました。

 また事業者側は乗務員運用などの工夫を重ね、「朝9時には東京や大阪の本社の会議に出席したい」「コンサートやスポーツ観戦が終わってから地元に帰りたい」といったニーズに対応したのです。

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コメント

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1件のコメント

  1. ま~。この共同運行会社というのは曲者ですよね。
    お互い利益があり、数が多くなればそれだけ先導したがる船頭役も増えてくるわけで。

    そして、耐え切れず離反すればたいよう号の悲劇も出てくるわけですよ。
    怖い業界です。